pomera DM200をプラリペアで修理
壊れたかも
pomera DM200は購入時点でヒンジ周りに多少のガタがありました。蓋の開閉に多少遊びを持たせて凸凹のある机の上でも安定するようになってるのかな?という感じ。
ところが一年以上使ううちにヒンジ周りのガタが大きくなっていました。振るとカラカラと何かが動く音もします。そして店頭展示機に触れてみて、あれ?違う?と。
中で壊れているのかも……。
DM200分解
ヒンジ周り壊れてる疑惑を確かめるべくプラリペアと精密ドライバーを用意していざ分解です。
本体底面の5本のネジを#0精密ドライバーで外し、ぱちん、とハマるタイプのスナップを外すとキーボード側と底面カバー側に分かれます。ヒンジの周囲を確かめてみると……上の写真のようにヒンジを固定するネジを受ける埋込アンカーが丸ごと筐体底面からすっぽ抜けていました。アンカーの周囲を囲んでいたはずのABS素材も6本中4本が割れてネジが利かなくなっていました。
DM200をプラリペアで修理
プラリペアはプラスチックの割れ、欠けの補修に便利なアイテム。粉に溶剤を垂らして米粒のような団子にしたものを破損箇所に盛り付けて修復します。1時間ほどで完全に硬化し、補修後の強度も十分に出る――というわけで
ヘタクソであまりきれいに仕上がりませんでしたがヒンジ固定用のアンカーの再固定ができました。早速、組み直して起動。ちゃんと動いた。良かった! 肝心のヒンジ周りもガタが減りました。
注意
- 筐体底部とキーボード側を繋ぐスナップ部分は分解時に固定用の爪を欠いてしまいがちな造りです。記事を載せておいてなんですが分解はお勧めできません。
おまけ 破損部の強度
アンカー部分を囲む樹脂の壁があまりに薄いように見えたのでABSの設計ガイドラインを調べてみました。汎用のものです。
ABS/AS樹脂における成形部品設計の基礎的考え方より
上で「アンカー」と表記したものは正確には「メタル・インサート・ボス」と呼ぶらしくインサートを支えるABSの側壁はインサートの直径の70%の肉厚が推奨されているようです。が、DM200のインサート部の側壁は(大まかな計測では)同40%弱の肉厚しかないようで心許なく思えます。
価格コムのクチコミ掲示板などでも同様にヒンジ取付部が壊れ、固定されなくなったヒンジに圧迫されたディスプレイケーブルが破断しディスプレイの色がおかしくなったり表示されなくなったりしているようです。(提示されている症例がわずか二例なのであまり頼りになりません。DM100でもほぼ同じヒンジマウント部の割れ事例がネットで見つかります)
ヒンジ基部の破損が起きてもユーザの体感的には「微妙にぐらつくかな?」くらいなので支障はないようにも思えますが隠れ症例が多そうな気もします。
また、液晶側のヒンジ固定部分も遊びがあるので中を見てみたいのですが見えているネジがなく本体側よりスナップ依存度が高そうで分解がためらわれます。
DM200の液晶側分解
ヒンジ基部修理後程なく、DM200の画面が赤くなりました。分解作業で壊してしまったのかも……。
写真では本来白黒のはずの「黒」の部分が赤くなっています。筐体の一部(ディスプレイケーブルが収まっているあたり)に力を加えてみると稀に白黒の「白」の部分がシアンになり黒が黒く表示されたりすることもあり、どうやら本体基板と液晶を結ぶケーブルにアナログ信号が流れていてRGBの赤チャンネルが断線/短絡のどちらかになってしまっている模様。上で「ためらわれます」と書いたのですが、良い機会なので液晶側の分解も試みてみました。
液晶側の筐体は外蓋+ヒンジ、液晶パネル側ベゼル+液晶、ヒンジカバーの三つのパーツで構成されていて、ベゼル面にあるゴム足四つの下に隠されたネジを外すと後はすべてスナップで固定されています。分解は前提とされていないようで、ヒンジカバーのスナップを外す際にはまず間違いなくスナップの爪を欠いてしまうと思います。
分解写真後者に写るヒンジのネジが微妙に緩んでいるのがわかると思いますが、分解したままの状態です。
分解した状態で液晶ケーブルの基板側コネクタ部分にかかるテンションを変えたり、配線の取り回しを変えると液晶の表示が白赤になったりシアン黒になったり表示が乱れたりします。ケーブルを慎重にチェックしてみたのですが断線/短絡している箇所は見つけられませんでした。
緩んでいたヒンジ取り付けネジを締め直し、画面が正常に映ることを確認しながら液晶ケーブルにテンションがかからないよう取り回しテープで固定しつつ再組立。
一週間ほど使ってみていますが画面は正常な白黒表示を維持しています。う〜ん?
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