HP Pavilion Gaming Desktop TG01 に RTX4070
ビデオカード
2022年に購入したcore i7/9700 GeForce RTX2600superのPCもVRChat用途では何かと見劣りする気がしてきました。元々VR用途ではぎりぎりのスペックでした。
電源容量
VR用に、と買った現PCは電源容量が500Wと少なめです。hp製のPCということで電源ユニットとマザーボードは独自コネクタ・規格であるようです。電源ユニットを大容量のものに交換することはできません。
RTX2060superは消費電力175W。ビデオカードの交換でぎりぎり動作する可能性のあるのはRTX4060TiやRTX4070搭載製品。200Wの4070は高負荷時に電源容量不足を招きかねません。電源容量計算機なるwebページを試してみました。
hpの500W電源ユニットは80GOLD相当。効率80%――400Wを消費するシステムを賄えるはずです。RTX4070に換装しても364W。なんとかなりそうです。
独自部品
懸念は電源容量だけではありません。hpやDellのような大手BTOパソコンの製品は規格外の専用設計部品で構成されています。うちのPavilion TG01の場合だと、
- 筐体(専用マザーボードやビデオカードを前提にしている)
- 電源ユニット(寸法・コネクタが独自)
- マザーボード(ネジ位置、寸法、電源コネクタが独自)
- ビデオカード(規格には適合するかもしれないがhp専用品)
汎用品が使われているのはメモリやストレージのみ。ビデオカードはPCI-Expressスロットですが市販の自作PC用PCI-eビデオカードが動く規格であるなんてどこにも書いてありません。元々刺さっていたのはhp製PC専用に作らせてるビデオカードです。マザーボードのBIOS(ファーム)と一対一での動作検証しかしていないでしょう。
でも、まあ、どこかの自作PC用OEMでメーカー名のプリントがhpに置き換わってるだけの気もします。チャレンジしてみよう。
大きさ比較
大きさ的に収まる可能性のある二連ファンの製品をリストしてみました。
メーカー | 型番 | 大きさ(mm) |
Palit | NED4070019K9-1047D | 269.1x127.5x40.1 |
ASUS | DUAAL-RTX4070-o12G | 267.01x133.94x51.13 |
玄人志向 | GALAKURO GAMING GG-RTX4070-E12GB/DF | 238x115x45 |
MSI | GeForce RTX4070 VENTUS 2X E 12G OC | 242x125x43 |
ZOTAC | ZOTAC GAMING GeForce RTX4070 Twin Edge OC ZT-D40700H-010M | 225.5x123.2x40.1 |
GAINWARD | GeForce RTX 4070 Ghost NED4070019K9-1047B | 269.1x131.8x40.1 |
GIGABYTE | GV-N4070EAGLE OC-12GD | 261x126x50 |
MSI GeForce RTX4070 VENTUS 2X E 12G OC
最安値競争の定番メーカーは避け、ツールで消費電力制限がかけられるMSI製品のVENTUS 2Xシリーズを選びました。値段も手頃でした。
実働
結論から言えば動きました。
でも、問題だらけでした。
- ビデオカードのプラカバーの一部とマザボの電源コネクタがスロット挿入位置と干渉して刺さらない → プラカバーを部分切断して解決
- ビデオカードの8pin電源が筐体側面(開閉面)に向いていてケーブルがわずかにつっかえる → 押し込んだ
- ビデオカードの大きさが変わり補助支持ステーが使えない → 撤去。適当なゴム板を底面からつっかえ棒にした
- ビデオカードのバックパネル部とPCI-Expressスロットのサイズが合わざすに刺さらない → バックパネルをペンチで曲げて合わせた
- カード補助支持ステーは空気取入口の大雑把なフィルタの保持もしていた → 無くてもいいや……
- ビデオカードの端と3.5inchHDDとの隙間は1cm程度(HDDを外さないとビデオカードの着け外しができない)
筐体や拡張カードの寸法がいい加減であった90年代の自作PCのような作業となりました。
あと、上の写真の右側の3.5inchHDD追加用マウンタですが、HDDをどっちに向けてもHDD側のネジ穴と位置が合いません。なんだこれ……。
VRChatへ行ってみた
20fpsくらいだった製作中のworldが40fpsくらいにはなりました。VRビリヤードのworldはHMDの表示上限の90fpsに張り付きます。VirtualDesktopで利用できるencoderが変わったみたいでHMD内での画質もクリアでシャープになりました。2060superで遊んでた同じworldに行ってもGPUの温度があまり上がらずファンの騒音も小さいです。VRChat内のworld単体で「重くてしんどい」ところはほとんど無くなりました。また軽いworldでも人数が増えて重くなっていたのが重めのアバター20~30人くらいであれば快適な範囲となりました。
CPUの世代が古いのにもかかわらずけっこうな性能向上が得られたので満足度はかなり高いです。一方で85000円ほどのコストを投じて得られたのが「重くて(fpsが低くて)つらい」が減るだけというのも微妙な気がします。VRChat自体の楽しさが特に向上するわけではありませんでした。
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