カテゴリー「レビュー」の101件の記事

PCディスプレイ ASUS PROART PA329CRV 購入

Dell U2713HM

 これまで使っていたDellの27inch WQHDディスプレイを買ったのは2013年の4月。11年使って特に調子の悪いところがあるわけではないのですがsRGBさえカバーしきれないモデルです。併用しているiMacとは写真のレタッチで印象に差が出てしまうのが気になっていました。新調しても良い頃合いです。

画像レタッチ用

 現在のWindowsPCの用途は

  • VRChat
  • VR写真の編集
  • リアル写真の編集
  • テキスト編集、組版

というあたりです。比重としては画像編集がメインで高精細画面での組版もできれば嬉しい、という感じでしょうか。VRChat以外のゲームはしないので高リフレッシュレート対応のゲーミングディスプレイでなくても良さそうです。

  • 写真レタッチ向きの色再現性
  • 高FPS不要
  • 広いデスクトップが欲しい

というわけでこれまでより少し大きい31.5inchのASUS PA329CRVが候補に。LGのKVMが搭載されたほぼ同じスペックのIPS BLACKディスプレイも次選の候補にはなったのですが、消費電力が比較的少ないらしいPA329CRVにしました。価格も同スペックのライバルたちより安くなっていたようです。

PA329VRC購入

 Amazonにて購入。翌々日に到着。画面サイズは27inch→31.5inchとわずかに大きくなっていますがパッケージの大きさは旧型のDell27inchと大差がありません。設置しても印象は変わらず。
 大きく重い31.5inchディスプレイを安全に開梱&組立する手順がパッケージへの工夫となって凝らされています。日本メーカーがかつて得意とした細やかな気配りがより洗練され台湾メーカーに引き継がれているようです。

同梱品

 PA329CRVは

  • DisplayPort
  • HDMI
  • USB3

三系統でPCと接続でき、それぞれのケーブルも付属します。今回はDisplayPortで接続することにしました。HDMIもDisplayPortもコネクタが微妙に違うだけで機能の差はなくなったっぽいです。デイジーチェーン接続も可能です。

実機レビュー

ディスプレイ開梱中の様子
設置

 開梱しながらスタンドを組み付けていくようなパッケージになっていて、大きくそこそこ重いディスプレイを安全に組み立て、取り出せるよう工夫されていました。これが今時の標準なのかな。梱包サイズもDell U2713HMの梱包より小さいくらいで洗練されていました。

画質

 これまでのDell U2713HMとの比較では格段に発色が良くなりました。5K iMac2017との比較でも(光沢・非光沢の違いはありますが)遜色はないです。画面・印刷双方のカラーチャートを比較してみてもなかなか優秀。実写・VRChat双方の画像レタッチが行いやすくなりそうです。非光沢の画面は紙に近い表示ができている印象。
 色空間はDCI-P3 98%というスペック表示はありますが同ProArt PA327CRV 27inchモデルのようにadobeRGBの色空間カバー率が表記されていなかったりするのは少し残念。

ColorACによるPA329CRVの色空間表示

 上の画像はカラープロファイルから色度図を作成してみたもの。

  • 紫 DCI-P3色空間
  • 黒 Asus ProArt PA329CRVの色空間
  • 灰青色 AdobeRGB色空間

 DCI-P3にかなり接近していて動画編集をターゲットにしているよう見えます。

HDR

 HDR機能はWindows11自体でモードを切り換えなければならず、切り換えると画質調節ができなくなります。Windows的にはゲーム・動画向けモードっぽい。使いづらい…。液晶パネル自体の10bit表示が生きるのはこのモードならではのはずなのですが。

起動速度

 PA329CRVはスリープからの復帰や電源オフ状態から表示が可能になるまでのレスポンスに時間がかかります。スリープからの復帰は数秒の待時間が生じるため、設置からしばらくは戸惑いました。またAmazon Prime Videoを再生しようとしたときに画面がブラックアウトしたままになることがあります。電源の切断、再投入で対処していますが好ましいとは思えません。

映り込み

 5K iMacの光沢画面でも表面の反射はほぼ気になりませんが非光沢のPA329CRVはさらに優秀で、これまでのDell U2713HMより映り込みははるかに少なくなりました。ディスプレイ上端に引っ掛けて使うタイプのデスクライトの光も反射が目立つのはベゼル部分のみ。

大きさ

 27→31.5inchと大きくなり108→140dpiへと精細になりました。作業領域も広く取れるようになったのですが、画面中心と左右端とで視点からの距離に差ができてしまい読み取れる文字のサイズに差が出ます。27inch以上は湾曲ディスプレイの方が良さそう。また液晶視野角か視差の問題か左右端ぎりぎりベゼルとの境界部分が後ろに曲がってるかのような錯覚を生じます。

外観

 ベゼルは今時の製品らしく5mmに満たない……と言いたいのですが表示領域端に何も表示されない部分があるので実質的に10mm程度のフチがつく感じです。だったらiMacみたいに前面カバーで端まで覆って物理的なベゼルなくしてくれればいいのに。下部のベゼルだけ出っ張っていてOSD用ボタンが並んでます。液晶パネル以外の部分は全体に黒のプラでデザイン的には無難というか格好悪いというか。フツーです。

OSDメニュー

 もう20年以上、いやディスプレイがブラウン管であった頃から大差のない見映えせず操作性も良くないディスプレイの機能設定画面。もうOS側から設定するのが当たり前なのだからディスプレイのボタンもOSD画面もいらないのかもしれない。マイナーOS向けならいっそスイッチは背面でも構わないのでは。

スタンド


 これまで使用してきたDell U2713HMのものと大差ないです。スタンド底面の面積も大きめでちょっと邪魔。可動部の動きがあまり滑らかでないせいか、構造材自体はちゃんと剛性があるのにぎしぎしゆらゆらする頼りなさがあります。九万円の商品でこれか、と寂しくなります。エルゴトロンのLX欲しい。

端子

 背面の各種端子は十分ですが、側面か前面にUSB端子が欲しかったです。PC本体が手近に設置されるとは限りません。

 一応スピーカーが内蔵されてはいるのですがAmazon Echo Dotより酷い音質です。今時こんな音のするPC機器は珍しいのでは。20年前の最廉価クラスのビジネスノートパソコンみたい……。9万円近くするディスプレイで? DCI-P3 98%を謳うディスプレイは動画編集が標的ではないのかしら。どうせ高品質な音声編集環境もあるはずだからスピーカーはへっぽこでもいい? なら、音声機能そのものがいらない、と言いたくなるくらいダメな音響です。
 けっきょくAmazon Basicの2000円くらいのUSB電源スピーカーを買いました。無難に鳴ってるだけですがだいぶマシな実用範囲。

発熱

 輝度最大で使用していても筐体も画面表面も熱をほとんど感じません。かなり省電力性の高い製品のようです。ライバル製品の半分程度の平均消費電力というスペックも納得です。

実使用

 unityのように3D、ヒエラルキー、プロパティ、ファイラーと様々なものを同時に表示するソフトでは広くなった画面が快適です。複数ソフトを並べて表示するのもより便利に。
 画像の表示やレタッチは期待通りの品質で満足度は高いです。「表示が綺麗」「色鮮やか」かどうかはよくわかりません。見た目の鮮やかさなら最新テレビの方が優秀かと思います。

まとめ

 VR写真の画像レタッチ頻度が上がり、Windows環境の色再現性が気になっていたので広色域のクリエイター向けモデルを選んでみました。これまでのWindows作業環境がしょぼかったこともあり、カラーマネジメント環境がほどほど整って良かった気がします。

音響はゴミ。

|

HP Pavilion Gaming Desktop TG01 に RTX4070

ビデオカード

2022年に購入したcore i7/9700 GeForce RTX2600superのPCもVRChat用途では何かと見劣りする気がしてきました。元々VR用途ではぎりぎりのスペックでした。

電源容量

 VR用に、と買った現PCは電源容量が500Wと少なめです。hp製のPCということで電源ユニットとマザーボードは独自コネクタ・規格であるようです。電源ユニットを大容量のものに交換することはできません。
 RTX2060superは消費電力175W。ビデオカードの交換でぎりぎり動作する可能性のあるのはRTX4060TiやRTX4070搭載製品。200Wの4070は高負荷時に電源容量不足を招きかねません。電源容量計算機なるwebページを試してみました。

20240122-113051

 hpの500W電源ユニットは80GOLD相当。効率80%――400Wを消費するシステムを賄えるはずです。RTX4070に換装しても364W。なんとかなりそうです。

独自部品

 懸念は電源容量だけではありません。hpやDellのような大手BTOパソコンの製品は規格外の専用設計部品で構成されています。うちのPavilion TG01の場合だと、

  • 筐体(専用マザーボードやビデオカードを前提にしている)
  • 電源ユニット(寸法・コネクタが独自)
  • マザーボード(ネジ位置、寸法、電源コネクタが独自)
  • ビデオカード(規格には適合するかもしれないがhp専用品)

 汎用品が使われているのはメモリやストレージのみ。ビデオカードはPCI-Expressスロットですが市販の自作PC用PCI-eビデオカードが動く規格であるなんてどこにも書いてありません。元々刺さっていたのはhp製PC専用に作らせてるビデオカードです。マザーボードのBIOS(ファーム)と一対一での動作検証しかしていないでしょう。
 でも、まあ、どこかの自作PC用OEMでメーカー名のプリントがhpに置き換わってるだけの気もします。チャレンジしてみよう。

大きさ比較

 大きさ的に収まる可能性のある二連ファンの製品をリストしてみました。

メーカー 型番 大きさ(mm)
Palit NED4070019K9-1047D 269.1x127.5x40.1
ASUS DUAAL-RTX4070-o12G 267.01x133.94x51.13
玄人志向 GALAKURO GAMING GG-RTX4070-E12GB/DF 238x115x45
MSI GeForce RTX4070 VENTUS 2X E 12G OC 242x125x43
ZOTAC ZOTAC GAMING GeForce RTX4070 Twin Edge OC ZT-D40700H-010M 225.5x123.2x40.1
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ghost NED4070019K9-1047B 269.1x131.8x40.1
GIGABYTE GV-N4070EAGLE OC-12GD 261x126x50

 

MSI GeForce RTX4070 VENTUS 2X E 12G OC

 最安値競争の定番メーカーは避け、ツールで消費電力制限がかけられるMSI製品のVENTUS 2Xシリーズを選びました。値段も手頃でした。

実働

Gevncuma0aakgk

 結論から言えば動きました。
 でも、問題だらけでした。

  • ビデオカードのプラカバーの一部とマザボの電源コネクタがスロット挿入位置と干渉して刺さらない → プラカバーを部分切断して解決
  • ビデオカードの8pin電源が筐体側面(開閉面)に向いていてケーブルがわずかにつっかえる → 押し込んだ
  • ビデオカードの大きさが変わり補助支持ステーが使えない → 撤去。適当なゴム板を底面からつっかえ棒にした
  • ビデオカードのバックパネル部とPCI-Expressスロットのサイズが合わざすに刺さらない → バックパネルをペンチで曲げて合わせた
  • カード補助支持ステーは空気取入口の大雑把なフィルタの保持もしていた → 無くてもいいや……
  • ビデオカードの端と3.5inchHDDとの隙間は1cm程度(HDDを外さないとビデオカードの着け外しができない)

 筐体や拡張カードの寸法がいい加減であった90年代の自作PCのような作業となりました。

 あと、上の写真の右側の3.5inchHDD追加用マウンタですが、HDDをどっちに向けてもHDD側のネジ穴と位置が合いません。なんだこれ……。

VRChatへ行ってみた

 20fpsくらいだった製作中のworldが40fpsくらいにはなりました。VRビリヤードのworldはHMDの表示上限の90fpsに張り付きます。VirtualDesktopで利用できるencoderが変わったみたいでHMD内での画質もクリアでシャープになりました。2060superで遊んでた同じworldに行ってもGPUの温度があまり上がらずファンの騒音も小さいです。VRChat内のworld単体で「重くてしんどい」ところはほとんど無くなりました。また軽いworldでも人数が増えて重くなっていたのが重めのアバター20~30人くらいであれば快適な範囲となりました。
 CPUの世代が古いのにもかかわらずけっこうな性能向上が得られたので満足度はかなり高いです。一方で85000円ほどのコストを投じて得られたのが「重くて(fpsが低くて)つらい」が減るだけというのも微妙な気がします。VRChat自体の楽しさが特に向上するわけではありませんでした。

|

pico4を買いました

questのヘッドストラップ

 三月中頃のある日、初代oculus questのヘッドストラップが切れました。旧モデルのquestはすでに市場にもmeta(oculus)公式サイトにも交換用フェイスパッドもヘッドストラップも見当たりません。サードパーティ製の製品もずいぶん前に姿を消しました。自家修理で乗り切ろうかとも思いましたが、愛用の初代questはすでに二世代ほど時代から遅れてしまいました。何より、毎日ログインしていたVRChatに二日入っていないだけでいてもたってもいられなくなりました。
 新しいHMDを買おう!
 と決めたのが金曜の昼。
 候補はinside out方式に絞りました。生活環境的にLightBoxを設置するのは難しく、愛用のharitoraXもinside out方式の補助向きです。選択肢はわずか。meta quest2はこれまで使っていたquestの後継機でスムーズな移行が予想できましたが、発売から二年半が過ぎています。vive XR Eliteはお値段高すぎで却下。pico4はこれから登場する新製品のトレンドも踏んでいます。パンケーキレンズ、前後重量配分の均等化された設計、見やすいパススルー、低価格。ネット上にはトラブル解決&使いこなし記事もそれなりにありなんとかなりそうだということで決心がつきました。

pico4購入

Img_2905

 というわけで金曜夜には買って帰ってきました。pico4。大手家電量販店で五万円弱。新しもの好きの猫と一緒に開梱です。

ファースト・インプレッション

 初期設定でe-mailアドレスやWiFi設定をしていて気づいたのが「酔いそう」であったこと。どうやら3D表示のない単なるディスプレイ状態の時はブレ対策機能が動かないようです。WiFiを設定し、ファームウェアのアップデートが終わって常用メニューが表示されたところで「酔いそう」感はなくなりました。
 初代questは有機EL+フレネルレンズでしたがこちらは液晶+パンケーキレンズ。輝度差の大きなものを表示したときに見えていたフレネルレンズの縞々が見えません。pico4の液晶はquestの有機ELに比べるとコントラストがやや低い印象で最大輝度も控えめです。眼の負担は低そう。アプリ起動前のメニューを見ただけの段階で文字が読みやすく解像度の高さがもたらすアドバンテージを感じました。比較対象が初代questなのでquest2やPC用HMD専門メーカーの製品を使っている人には感動はないかも。あと、鼻の近くに遮光用の部品が付けられて、東洋人の平たい顔でも光漏れがなくなり見やすくなりました。眼鏡向けのスペーサー・オプションも入ってました。
 そして装着感!
 圧倒的に初代questより良いです。前後の重量バランスが良いせいか締め付けるように装着しなくても安定するので顔が痛くない。pico4で一番魅力的だと思ったのはこの装着感でした。これは家電量販店に展示機があればquest2と比較できるので、ぜひ試して欲しいです。VRで大切なのはHMD装着が不快でない、というとっても素朴な条件だったりします。ここにフォーカスしたpico4は長く実用に耐える気がします。
 コントローラに最初から入ってる電池はいわゆる「動作確認用」のようです。けっこう早く(二日ほどの使用で) 電池切れを起こしますがeneloopに入れ替えてみたところ倍以上持ちました。片側につき単三×2です。

アプリ

 初期状態では「ファイラー」や「youtube」や各種動画配信サービスのアプリ?リンク?が用意されていました。ファイラーはメディア各種のビューワも内蔵していて画像や動画類は一通り再生できるようです。SMB経由のLAN共有データもOK。youtubeで高画質動画を再生してみると、表示が高精細でしゃっきり。音質は初代quest比では低音が割と出ていてパンチがあり、高音がよく分離して聞こえるのでホームシアターっぽいです。没入して視聴するのに良い環境。耳の近くにスピーカーがある仕組なので音は周りにそこそこ聞こえます。寝ている人の近くでの使用はやめておいた方が良さそう。
 picoストアを覗いてみると『オノゴロ物語』や『ALTDEUS』『東京クロノス』といった有名タイトルがありました。meta quest2で評判の良かった『BIOHAZARD 4』のVR版はなさそうです。questでも馴染みの3Dスケッチツール『Gravity Sketch』もありました。VRChatのquest版(名前は変わるだろうけど)も来るといいのに。
 ゲームばかりでなく仮想オフィスの『Immersed』というのもあります。これはPC上での作業をそのままVRに持ってくる+協業者と連絡を取り合えるツールといった感じなのですが……pico4の表示性能でようやく実用範囲のVirtualオフィスに。Virtual Desktopより文字がくっきり見える気がします。リアルのキーボードの位置だけでもわかるともう少し使いやすくなりそう。とはいえ文字の読み書きはVR環境よりもリアルの平面モニタの方がずっと快適です。

電源

 pico4はPCとの接続でWiFi6があれば有線は要りません。けれど消費電力もそこそこあります。バッテリー駆動では二時間くらいしか遊べなさそう。PCとUSB接続をすれば一応電力は供給されるのですが、PC端子の電力供給機能は頼りなく、うちのゲーミングPCの端子からではpico4の消費電力をまかないきれません。けっきょくWiFi接続&ACアダプターによる有線電力供給という形で利用しています。

pico video

 picoのプラットホームでは推しているらしい動画配信サービス。にじさんじがpico向けに限定配信をしていたりします。集中したい映画ならともかくバラエティ的な動画にHMDを被るのはちょっと面倒です。3D動画も(youtubeもですが)解像度が低過ぎて見映えしません。3Dの、ポリゴンの状態で配信されるコンテンツが見たい!

Virtual Desktop

 pico4ではメーカーがPC接続用のツール・Streaming Assistantも提供しているのですが、2023年3月時点で問題が多いです。

  • 立体音響がおかしくなることがある
  • PC側のStreaming Assistantサーバー自体がコケる
  • SteamVRのOVRがうまく機能しない
  • PCVRでコントローラの認識がおかしくなることがある

 いずれも導入から二日の間に複数回起きています。当初これらの問題は原因がわからなかったのですが、Virtual Desktopを導入してStreaming Assistantの使用をやめたらすべて解決してしまいました。実用に耐えないというほどStreaming Assistantが酷いということはないのですが、比較するとVirtual Desktopの洗練度が目立ちます。というわけでpico4、PCVR目当てで導入する方はVirtual Desktopも導入を強く推奨します。

初代quest比で良くなった/悪くなった点リスト

  • 前後重量バランスが取れていて装着感は比較にならないくらい良くなった。quest2よりも快適。
  • 解像度が上がってVR世界が格段にはっきり見える。
  • パススルーがカラーで高精細。初代questやquest2と比較にならないくらい実用的。
  • WiFi6対応。WiFi経由のPCVRでもまったく不足がない。初代questはWiFi5世代。
  • 画面の真っ黒と真っ白のコントラストがやや落ちて「目映い体験」がなくなった(初代questは有機EL)。光に溢れていた光景が単に明るい光景になった。暗闇がややグレーを感じる黒になった。
  • ネットレビューではスピーカー、マイク両方の音質に否定的なものを見かけるが、初代quest比ではかなり良い。PCVR時にマイクの音質が悪いのはStreaming Assistantのせい。単独使用やVirtual Desktopでは問題を感じない。マイクは音質はともかく特性は差があるようでHMDを変えたことを伝えていない友人に「マイク変えた?」と訊かれた。
  • 再生音の低音が豊か。
  • VRChatしかたぶん遊ばないけどストアがやや寂しい。quest環境でのApp Lab相当のインディーズ・タイトルの配信はなさそう。→android用のAPKファイルを突っ込むとたいていのものが動いてしまうようです。
  • 鼻とHMDの隙間が減り、追加の遮光ゴム部品で密閉度が上がり、外の明かりが気にならなくなると同時に曇り(結露し)やすくなった。(冷間時の使い始めだけ。ファンでの換気が始まると曇りは晴れる)
  • 眼の疲労感はあまり改善されなかった。
  • 解像度は上がったがPCVRでのグラフィック描画の要求性能は大差ないみたい。

VRビリヤード

 私のVR利用はほぼVRChatのみです。VRChatで一番時間を使っているのがVRビリヤード。初代questからpico4に更新しての変化は以下の通り。

  • 解像度が上がりガイドラインがよりはっきり見えるようになった。
  • ガイドラインなしで遊んでも狙いやすくなった。
  • 装着感が大幅に改善されて長時間快適に遊べるようになり、三時間くらい続くVRビリヤード大会でもHMD装着が苦にならない。
  • コントローラのトラッキングは初代questより安定する。認識範囲も広いようでキューを大きく引いてもトラッキングが外れない。

フィットネス

 pico4はフィットネス向けの機能を重視しているようで標準メニューにFitness機能(HMDを付けた状態での活動量計)が用意されています。購入・ユーザ登録時に提供される特典ゲームもフィットネス要素の強いものです。オプションで足につけると思われる運動量計も予定されているようです。

pico4版VRChat

 2023年11月、pico4にもVRChatのアプリが登場しました。quest版相当のものです。
 登場当初は表示が多少乱れていたりしましたが12月には不具合らしい不具合もなくなったようです。そしてこのオール・イン・ワンVR環境用のVRChat、かなり優秀なことがわかりました。

  • 初代questはスペックがぎりぎりでquest向けworldであっても表示はとても軽快とは言えなかったがquest2とほぼ同スペックのpico4では快適。
  • quest向けworldだけしか訪れることができないのは変わらず。
  • 表示は初代quest比でははっきりと高精細になって見映えが大幅に良くなった。

|

小説創作のためのpomera DM250レビュー 1.ファーストインプレッション

pomera DM250登場

pomera DM250 Amazon画像

 新型pomeraの久々の登場です。型番はDM250。横長・バッテリ駆動タイプです。愛用していたDM200のバッテリが疲労し容量が半分以下になって再購入すべきか迷っていたところでした。DM30まで5%であった消費税も10%に増税されたこともあり税込価格が六万円超へ。予約購入。公式通販の白モデルです。

DM250到着

_dsc0589

 公式通販で注文していたDM250白モデルが発売日の7月29日、到着しました。

_dsc0617

 白モデルは箱もACアダプタもケーブルも専用色。公式通販特典の白モデル向けソフトケースはDM200と250両対応のDMC5のベージュ色版のようです。

_dsc0614a

新要素

 DM250の新しい機能を紹介していきます。

pomera Link

 スマホアプリとpomeraを連携させる機能です。
 ファイルをひとつずつスマホとやりとりするツールで、QRコード経由では持ち出しのみ、WiFi経由では双方向ですがpomeraへの持ち込みはちょっとわかりづらかったです。


Img_2531 Img_2532

 上画像一枚目の右下書類アイコン→pomera Link内にあるファイル一覧→「+」で新規ファイルを開いてコピペでDM250に送りたいファイルを作り、転送……という手順です。
 内蔵メモリとのやりとり用でSDカード内は対象外のようです。dropboxやonedriveのような「フォルダごとクラウド同期」する機能ではありません。
 スマホやPCとUSBケーブルで繋いでpomeraの「PCリンク」を起動するとpomeraが外付けドライブとして機能するのでWiFiいらずのファイル転送ということであればそれでも良さそうです。
 私はDM200/30の時と同じようにUSB接続+rsyncコマンドによる同期を中心に、モバイルではQRコードの機能を使おうと思います。
 pomera本体の時刻もここで同期してくれるといいのに。

オートバックアップ

 地味ですし効果を体感する可能性は薄いですが万が一のための機能であるとないとでは大違い……なんですが、これ本体メモリに保存したもののみの機能なんですね。SDカード/本体メモリ双方で同じ動作をしても問題なさそうな。ファイルを編集ごとにすべてのバージョン保存していっても1GBあるバックアップ領域をテキストデータが使い切ることはないのでは。

筐体

 形はDM200と大差なく見えますが新設計だそうで、電源スイッチの位置や各種端子形状は変わっています。白モデルのツヤが抑えめの白はなかなか良い感じです。気に入りました。

キーボード

 こちらも新設計。打鍵音の静かさが売りのようですがDM200と並べて叩いてみても違いがわかりません。shiftやspaceのような横長キーの遊びがなくなってカチャカチャいわなくなったのは確かです。ストローク量、固さも(使い古した)DM200と体感的な違いはほとんどなさそう。気持ち感触が軽くなったかな。あ、打鍵時の筐体の剛性感はDM250の方が格段にしっかりしました。(複数回分解しているうちのDM200がヤワになっているだけかも)
 ネットニュースの記事によるとDM200で採用していたV字ギアリンクという機構ではなくなったようです。
 今のところ同じキーが重ねて入力されたり押したつもりが入力し損ねたりする率はDM200より高いかな?という印象ですが、確かDM200やDM30の購入直後もキー入力が若干不安定であったので機械的に馴染むまで少し時間が要るのかもしれません。
 2022年12月、ファームウェアをVer.1.1.0.0にアップデートしたところキー入力でのダブりは多少改善された気がするのですが気のせいかもしれません。まだ結構出ます。

_dsc0618
編集機能

 ctrl+backspaceでATOKの確定アンドゥが可能になりました。
 

バッテリ関連

 18時間→24時間になりました。実用しての駆動可能時間は細切れ使用でよくわからないです。不足はまったく感じません。DM200の時点でも十分なバッテリ駆動時間がありました。DM200は四年目くらいでバッテリ容量が少なくなって持ち出しづらくなりました。今回のモデルは耐久性が上がってるといいな。
 充電中やバッテリ残量が少ない時に状態を知らせるLEDも付きました。
 新しいACアダプタとDM250の組み合わせだと充電が速いです。2時間で10→90%、残り10%はゆっくり充電されました。計3時間弱かな。90%までの充電はキーボード左半分が多少熱を帯びます。PCのUSB3.1端子からの充電だとずっとゆっくりモードみたいです。

文字数カウント/バッテリ残量数値表示

 常時表示する情報は少ない方が好きです。1%ずつ減っていくバッテリ残量、私には煩わしいです。文字数カウントは非表示設定も選べましたがけっきょく全画面表示で使うことにしました。ファイル名とATOKの入力モード表示は出しておきたかったのですが……。

ATOK

 実用的な文章の変換はATOKが出してくる候補のままでほぼOK、なのはDM200でも同じでした。流行語・新語は更新されているようです。補助辞書で使うジャンルのものとそうでないものを分けられるのは便利です。

ATOK校正支援

 この記事を書いている間にも誤用の指摘がありました。

正規表現検索

 なくても困らないけれど便利にも使えて邪魔にもならないこういう機能は大歓迎。
 全角と半角、大文字小文字も判別します。別記事に使用可能正規表現一覧を作りました。

シナリオモード
20220729_143252

 DM200以降搭載されたアウトライン用の書式と同じ「.」あるいは「#」が行頭にある行が上側見出し行に表示されます。

  • 一番目の階層がシーン
  • 二番目の階層がセリフ

ということのよう。
 データはあくまでテキストファイルそのものなのでこの見た目で印刷しようと思っても印刷機能のないpomeraではパソコンにデータを持っていって組版しなければなりません。(「.」「#」書式の共通するシナリオ用ソフトとかあるのかな。)

 そこでワープロソフトの一太郎でスタイル機能を使い楽に印刷できるようにしてみました。

  • 見出しを上寄りに、シーン記述やセリフはインデントで下寄りに
  • 区切り罫は別Sheetに横罫線を引き、背景透過で合わせる
20220730-200930

 こんな雛形と「.」のある行をスタイル見出しに割り当てるマクロを用意しておけばDM250で作成したシナリオを読み込ませて一発でそれらしく印刷することができるようになります。マクロは「アウトライン記号&青空文庫ルビの変換マクロ」を改造したもの。

白モデル付属品

 公式通販白モデルには専用のソフトケースと画面保護フィルムが付いてきます。
 ソフトケースはDM200発売時に登場したDMC5のベージュ色ver.のようです。本体にぴったりサイズ。前面と背面に芯が入っていて内側は起毛素材。フラップ部分にはクッションが入っているのですがここで厚みが出てしまってDM100用ネオプレーンケースにDM200/250を入れたときよりも厚くなります。
 DM250と同時発売されたアルミのハードシェルケースDMC7が頑丈そうで気になります。

 もうひとつのおまけである画面保護シートは頑丈そうな光沢シート。

小説を書くのが楽しいガジェット

 文章を書くデジタル環境ということならスマートフォンにbluetoothキーボードを付けてもいいし、ChromeBookでも、WindowsノートPCでもpomeraより安価なものはあります。pomeraを使っていても傍らにはスマホがあってtwitterは覗くので特別集中できるということもないし、pomeraを使ったからって小説が上手になったり楽々と書けるようになったりもしないです。
 私がpomeraの機能で決定打と感じたのはアウトライン。基本編集機能も不足はなく、国語辞典もお気に入りのタイトルが収録されていて、快適なキーボードが搭載された最小構成のパッケージは好きな場所で創作を楽しめる小説書きの友となりました。

 LinuxZaurus、タブレットPC+BTキーボード、ミニノートPCと様々なモバイル端末を使ってきましたし、ソフトもアウトライナーやマインドマップの類、Scrivener、etcと色々試してきました。試すことそのものが楽しい趣味でこれからも試行は続くのでしょう。
 私にとってのpomeraは現在進行形の創作環境探しです。

関連記事

 

|

KINGJIMディスプレイライトDLT10購入

ディスプレイライト

 パソコン机の照明、難しいです。

  1. ディスプレイに光が映り込まない
  2. キーボード周辺に置いた資料を照らす
  3. 光源が視界内に入らない

 デスクライトの類は向いていません。視線より低い位置から照らせば画面に反射し、高い位置から照らせば光源が目に入ります。何かいいものはないかと探していて気になったのがBenQのScreenBar

でした。ただし12,000円近くして躊躇ってしまいます。類似品も多数ありますがBenQのものに比べると評判が悪そうです。そこにKingjimから同様の新製品が出ると知りました。価格も無難な範囲。買ってみました。

Kingjim DLT10購入

 pomera DM200やDM30を愛用していることもあってKingjim製品には馴染みがあります。

 通販で届いたKingjim DLT10を設置。一応クリップにはなっていますが基本ディスプレイ上に載っけるだけ。がっちりとは固定されないので照明角度を調節するときはクリップ部を保持しながらもう一方の手でライトバー部分を動かす感じです。各種操作はタッチセンサー。ライトバーの設置時高さは机面から45cmを想定している模様。うちの27inchのモニタを一番低く設置するとちょうどそのくらいになりました。iMac 27inchだともう少し高くなります。

_dsc0426
_dsc0425
調光

 環境の明るさを測る照度センサーがついているのでAUTOで使えば良さそうですが手動で調光もできます。タッチの長押しで一度目は暗くなる方向に、二度目は明るくなる方向に変化するようです。輝度は無段階で変化します。輝度を落としてもちらつき等は生じないようです。優秀。明るさは印刷物を読むのにも、電子ペーパーを見るのにも十分です。

調色

 三種類の色温度を選べます。LED自体は電球色と昼白色のものが二種交互に並んでいて中間の白色は二種を同時発光させているようです。

照射範囲

 配置されているLEDの間隔は約15mmで30個×2色。鏡に反射させた光で机上を照らします。照射範囲は……明暗境界がくっきりという訳にはいかないようで画面も多少照らしてしまう模様。かといって手前側にライトを向けると光源が視野に入ります。はっきりと光が映り込んだりはしません。添付画像のように資料を置くと、その照り返しがはっきりと映り込むのに対しライトバーの光そのものは映り込んでないのがわかると思います。

まとめ

 買いか否かという質問には「よくわからない」という答えになります。同種の競合製品を使ったことがないので。 机上に置くデスクライト比でいうならば「紙の資料類がちゃんと照明されて画面への明確な映り込みもない」ということでDLT10の勝ち。気に入りました。

|

トラックボールELECOM HUGE M-HT1DRBK購入

トラックボールが壊れた

 WindowsPCで愛用していたトラックボールが壊れてしまいました。Logitech(現logicool)のMarble Mouse USB(現TRACKMAN MARBLE)という中指操作タイプです。同じと思われるものが今も売っているのですが、さすがに今の時代では動きの検出も粗く感じられてきたので最近のモデルから代替品を探すことにしました。

ELECOM HUGE M-HT1DRBK購入

 店頭の見本にいくつか触れ、ELECOMのHUGEというモデルにしました。
 WIRELESS版です。ボールの直径は52mmで比較的大玉の人差し指・中指で操るタイプ。Marble Mouseを買った頃のELECOMのトラックボールは見るからにちゃちなモデルばかりでしたが、今はKensingtonやlogicool製品の良いライバルのようです。

ELECOM HUGE M-HT1DRBKインプレッション

ELECOM HUGE M-HT1DRBK  使い始めのレビューなど。
 机の上でキーボードと並べてみた第一印象は「でかっ!」でした。A5版の雑誌に迫る大きさです。
 ボタンは8個。そのうち3つはELECOM製のユーティリティを使わなければ機能が設定できません。センターボタン兼用のホイールは一定角度ごとに動きに段差があるタイプ。うーん。ボタン類はボールに対して手首側に寄り過ぎている気もするけれどこの辺は慣れかな。
 52mmのボールは大きく動かすときはとても滑らかでするするーと回ります。ごくわずかに回転させようとすると重い……粘る感じ。これはMarble Mouseでも似た傾向でした。HUGEの場合はセンサーの感度を500/1000/1500カウントと三段階に切り替えられるので細かな作業をするときはそれを活用しろということなのでしょう。

エレコム マウスアシスタント

 HUGEの細かな設定はELECOM製品専用ソフト・マウスアシスタントで行います。デフォルトでは機能の設定されていなかったボタンに「クリックロック」を設定しようとして選択肢になく、なんで?と思ったのですが、Windowsではme、XPの頃から「クリックボタンの長押し」で「クリックロック」にする設定があったようです。知らなかった……。
 ホイールには勢いよく回すとスクロールし続ける「フライングスクロール」という機能を設定できるのですが、これ、発動させる操作度合いが掴みづらくてなかなか意図したように動きません。スマホの洗練された操作が身近になった今の時代には残念な感じ。

一週間ほど使ってみて

 ボタンの配置や以前のMarble Mouseにはなかった機能にも慣れてきました。

  • センサー感度の変更スイッチはけっこう実用的。3DCGモデリングツールでは "LOW" に日常的な用途では "MID" に切り替えて使っている。(でもそこはマウスカーソル移動の加速で手動切替なしで対応すべきとこのような気がする・応答関数にヒューリスティック曲線くらい使ってよ)
  • パームレストの素材は感触が良い。
  • 無線接続でも安定している。ネットではUSBに挿す無線親機の動作が不安定という話を見るが、うちではその症状は出ていない。
  • マウスの中ボタンスクロールに相当するスクロールボタンは使い勝手良い。同ボタンに仕込まれたチルトスイッチはまったく使う機会委が無い。
  • マウスアシスタントで設定したFn1、Fn2ボタンの音量調節が機能しないことが多い。設定内容時々おかしくなってる。
  • ボールや支持爪の清掃がそれなりの頻度で(週に二回くらい?)したいのだけどボールの取り外しにけっこうな力が必要で煩わしい。50mm以上ある大玉のトラックボールで、モバイル向けだろうボールの外れ防止が必要だろうか。トラックボールはボールの露出割合が大きければ大きいほど良いので球の半分以上を隠す形になっているこの設計はデメリットしかないのでは。Marble Mouseでは外れ防止の爪三点以外の部分を大きく削る筐体デザインでボールの露出割合を増やしていたのが好ましかった。
  • 「R」「Fn3」のボールの右側にあるボタンが筐体シルエットの外面にあって、周囲に置いたものに当たって押されやすい。特に「Fn3」。
  • 多ボタンにこちらの頭がなかなか対応しない。「R」と「Fn3」、「L」と「◀」を混同しやすいのでボタン表面の触感に差がついていると使いやすいはず、とエンボスシールを貼ってみたけどあまり変わらない。
  • 設置面とボール底面の距離がけっこうあって無駄に全高が高くなってしまっている。大きさが使いやすさにあまり貢献できていないと思う。

壊れました

 2020年9月に購入記事を書いたこのトラックボール、2022年9月下旬に機能しなくなりました。

|

ゲーミングPCを買いました

外出しづらくなった2020年3月以降

 コロナ禍で外出しての娯楽が消え去り、VR大活躍。
 oculus questはとてもよくできたHMD。beatsaberは最高だしvrchatも遊べます。youtubeの3D動画も楽しい。
 とはいえスマホ用の半導体を転用したquestの性能そのものはあまり高いものではなく、家庭用ゲームのようにぎりぎりまでチューンされているわけではないユーザ作成データを使うvrchatのようなアプリは制限も厳しくなります。
「話題のあのworldも行けない」
「面白そうなイベントがquest対応してない」
 そんなことに遭遇することが気になってきました。
 vrchat用のquest対応アバターを作っていてもあちこちで壁にぶつかります。そして思うのです。

「ゲーミングPCが欲しい!」

買いました

ゲーミングPC Pavilionが来た  というわけでゲーミングPCが手元に来ました。
 開梱した状態が右写真。

HP Pavilion Gaming TG01-0722jp 価格.com限定パフォーマンスプラスモデル
CPU:Core i7-9700
Video:RTX2060Super
Strage:512GB SSD+2TB HDD
Memory:16GB
価格:133100円(税込・送料込み)

 ネットの評判を見るとHPのような大手のBTOパソコン通販は「在庫あり」のものを注文しないと長く待たされがちだとか。どうしたものかと悩んでいたところに購入候補にしていたモデルが前に見た時より16000円ほど値下げされ、注文画面を覗いてみると「在庫あり」表示。即座にポチ。

6/14注文
6/15受注
6/15納期確定
6/17発送
6/19到着

 「在庫あり」は五営業日で納品、という売り文句通り五日ぴったりで届きました。
 ケーブル類もAmazonで手配し、PC本体と同日に到着。

Displayportケーブル 1m
LANケーブル cat6 10m

 oculus Linkは先日のアップデートでquest付属のUSB2ケーブルでも動作するようになったとか。USB3の広帯域を活用するようなモードも予定されているらしく、そちらは様子を見て後日あらためて手配することにします。
 ついでにマイクなども購入。VRChatのデスクトップモード用です。

oculus linkでVRChat

oculus link+quest Vrchat:こんな幻想的なワールドの美しさはデータ量の多いPC環境ならでは 早速設置してVrchatでoculus linkを試してみました。PCで描き出したリアルタイム3D映像をUSBケーブルでquestに送り出して体験する形です。

 ほー。きれいじゃーん。

 そんな感じです。描画がすっきりくっきり。questでの3D描画では視野の中心部分は解像度が高いのですが端に近づくにつれ解像度を落としていてぼんやりします。それが全般にシャープに。PCではダイナミックボーンと呼ばれる技術で髪や服を揺らしているそうですが、確かに髪や服が動いてる! シェーダーも自由に選べてVRChatで人気のあるアニメ調のキャラに輪郭線が入りしゃきっとします。ワールド(ユーザーが自作した空間モデル)もデータ量が桁違いで(手の込んだところは)ゴージャスに。何より、quest対応していないPC専用のワールドに行けるようになったのが嬉しい。
 あと、通信が安定します。questのWiFiは処理が重くなってくると滞って接続が切れたりすることもあるのですが、それがなくなりました。questでは音声ノイズが頻繁になる夜10〜12時・25人ほどの人がいるワールドでも「気持ち音が途切れる?」くらいで済みます。
 oculus link中には簡単にVRChatからバーチャルデスクトップ(Windowsの画面)に切り替えができることができるようになり、VRChat内と外とが少しだけ結びつけやすくなりました。

デスクトップモードでVRChat

 ついで、ということでHMD(quest)を使わないパソコン画面だけでVRChatを試してみました。

 あ、あれ? こぢんまりとしたセカンドライフみたい……。

 セカンドライフが話題になっていたゼロ年代前半はHMDはあまり一般的ではなかった気がします。私がVRChatの体験だと感じていた部分の多くはHMDによるものだった模様。キーボードで操作するVRChatは昔のFPSゲームみたいで「コレハチガウ」となりました。いや、おしゃべりだけならデスクトップでも楽しさは変わらないと思うのですが、VRChat内での一般的な話題ってアバターやワールド、VRChat内での出来事が主でHMDでの体験がベースになっている気がします。
 ただVRChat内外を繋ぐようなことをしたいときにはHMDは邪魔になってしまうこともあり「デスクトップでVRChat」は便利です。

とても優秀なoculus quest

 ゲーミングPCで表示の美しくなったVR世界。高負荷時にノイズに悩まされたり接続が切れることも減りました。でも、パソコン不要で5万円でスタートでき、VR体験としての面白さはPC+HMDに劣らないoculus questはとても素敵なおもちゃだと思うのです。初代PlayStationからPS2、3とCGがきれいになっても3Dゲームとしての面白さは変わらなかったように、体験としてのVRはquestでも十分に楽しめるものです。beatsaber(VR音ゲー)のように体を動かして楽しむゲームなどはquestのケーブルいらずなところがVR体験を一層楽しくしてくれます。beatsaberはquestとPC版でCGの差は感じられなかったりします。
 ただし。VRChatのようなSNSでは新参・固定プラットホームのquestは圧倒的に少数派です。VRChatで訪れることができる場所のほとんどがquest対応していません。遭遇する人のアバターもPC専用のものが多いです。oculusストアのquest用ゲームもPC版に比べると限られてしまいます。

日常用途

 デスクトップ機を使うのは久しぶりです。
 電源周りが昔の自作機とは大きく変わってノートPCと同じようにスリープでの起動/停止ができるようになりました。完全電源オフからの起動も速いです。スリープが必要ないくらい。快適。

 日常的に利用するソフトでは一太郎での「校正」やPDF出力、マクロの動作が速くなりました。DDR3世代のcore i3ノートPCではずいぶん待たされると感じた「書式」変更後の待ち時間も大幅に減りました。文章を入力していくような作業は以前とあまり快適さは変わりません。元々そんなに重くなかった作業ですし。
 使用部品の数が増えると重くなっていた花子もかなり快適に。少し惜しいのは一太郎文書中に花子図形を表示させるとデータ量的な制限がかかってしまうのか表示されない部品が一部出てくるあたり。一太郎自身も刷新の頃合いなのかも。

 期待していたのはBlenderでのcudaレンダリング。まったく同じデータ・設定でレンダリングをさせてみると手元のiMac27/2017モデルのcore i5 3.4GHzの約4〜5倍の演算速度でした。実用性は増したけれど期待ほどではない……かな?

 接続したモニタは27inchのWQHD。併用しているiMacが27inchの5Kで見劣りするのが気になってきました。

蛇足・購入前の“つもり”

 購入に当たって調べ物をしたつもりでいました。

  • とりあえずVRChatの稼働環境を想定
  • HMDによるVRをしたい
  • oculus questをつなぐPC Linkを動かす
  • VRChatにはVRAM容量が大きい方が良いらしい
  • Radeonは同じくらいの値段・性能でもGeForceよりTDP大きめっぽい
  • 自作機SHOPで部品で揃えるとBTOの完成品より少し高くなる
  • Dellやhpの大手BTOショップは同スペックだとネット最安値だけど納品遅いらしい

等々。でも、手元にスペックを比較できる別のパソコンがあるわけでもなく、予算と相談で想定したスペック(core i7 9700かRyzen 7 3700X、GeForceRTX2060SUPER、メモリ16GB以上)に意味があったのかわかりません。VRChatはおおむね不満なく動いてますが、それでも20人以上が集まるworldにjoinするとしばらくはアバターの読み込みが続き、まともに身動きするのがためらわれるラグを生じます。これはPCのスペックとは関係ないのかな? RealtekのLANコントローラあたりが怪しく思えるのですが。

|

VRはじめました

OCULUS QUESTを買いました

 疫病対策で外出自粛要請が出されて出かけづらくなり、VRはじめました。パソコンで使うVRは高性能PCとVR眼鏡の双方が必要ということで、手軽そうなoculus questを買ってみました。PCなしのスタンドアロンで動くVR眼鏡(HMD)です。

oculus quest購入

 発売されたばかりというわけではないのに日本での販売が公式通販とAmazonのみ、2020年4月の段階でも入荷半日で完売、みたいな状態でした。

 oculus questはほぼスタンドアロンのヘッドマウントVRディスプレイ。厚みのある水中眼鏡みたいな感じです。基本的にゲーム機ですが、YoutubeにはVR用の動画がけっこうあるので動画目当てで購入するのもアリかも。最初の導入手順と導入用のチュートリアルが一体化していて、ゲーム的な要素の強いチュートリアルに「これは面白い!」となったのでした。

  • スペック表を見ると高精細な気がするけど体験するとまだまだ粗い表示品質。
  • PCなしの単体で遊べるのが魅力。
  • ヘッドマウントディスプレイとしては軽いはずだけどそれでも重い。
  • 顔に触れる部分の造形が平たい顔族の東洋人だと鼻のあたりに大きな隙間ができる。明るい部屋だと光が入ってきて気になる。
  • 眼前のレンズがフレネルレンズで輝度差の激しいシーンだとレンズの縞が見えることがある。
  • ヘッドトラッキングは精度高くて快適!
  • ケーブルレスは正義!
  • vtuber万歳!
  • 文字は読みづらい
  • IT機器や合成繊維らしい化学薬品の臭いがきつい

 購入初日の印象はこんな感じです。

なぜVR眼鏡?

 きっかけは2020年5月の文学フリマ東京がコロナ禍で中止になったことでした。

「三密を避けるイベントなら仮想空間しかない!」

ということで文フリVRをすればいいじゃない?と思い立ちできるものかどうか知りたくなってVRに触れようと購入。まあ、コロナ禍で出かけられる先がなくなってしまったので遊び道具が欲しかっただけではあります。

チュートリアルからして痺れた

 oculus questは最初に装着して初期設定を済ますとチュートリアルが始まるのですが、その段階で濃いVR体験ができてしまいます。同時にoculus questがワイヤレスであることを生かし、現実空間で体を動かして遊ぶようなゲームでは、狭い日本の住宅は遊ぶのにはちょっと厳しいことも想像できました。推奨プレイエリアは2m×2m。そのプレイエリアを確保する際に外を見るカメラ越しに仮想世界と体を動かせる範囲を一致させてるようになっています。これは一種の拡張現実、複合現実てせすね。
 (PCもゲーム機本体も必要なく)単体で楽しめるVR機材が五万円程度で手に入るのは驚きです。スマホを利用する簡易ヘッドマウントキットより像が鮮明でヘッドトラッキングもスムーズです。
 あ、そうだ。oculus questは導入にスマホ必須です。AndroidかiOSの動く端末とネット回線が要ります。

VR動画が楽しい

 oculus questで一番最初に試してみたのはYotubeVRアプリ。Youtubeには実写の360度映像もたくさんありますが、特に楽しかったのがアニメ・漫画風の3Dキャラ・vtuberが歌って踊るような「VR180」「3D」といったタグのついた動画でした。キズナアイ、HIMEHINAといった有名どころは(動画は2Dですが)クオリティも高くてプロの仕事感てんこ盛り。有名vtuberの中には3Dモデルを配布しているところもあったりで、有志が3D動画にして楽しんでいたりもします。キャラがすぐ目の前まで近づいてきて踊るのはいかにも3D動画ならではですし、立体感の豊かな背景の美しさをメインに見せてくれるセンスの良いものもありました。
 スポーツ類(スキーやスケボ、モータースポーツ等)もかなり楽しいです。オートバイが好きなこともあり車載カメラの360度映像などはめっちゃ楽しい! サーキットの回り込んだコーナーで大きく首を曲げて出口を見ながら旋回していくあの感じが、臨場感たっぷりに楽しめます。
 ただ、360度動画はデータ量が足りていないせいかややぼんやりしているものも多く、まだまだな感じです。
 3D酔いをもたらすものもありました。

VRChat

VRChat自作アバター
自作アバターver.2

 購入動機となった「Virtual文フリ」は実際できるものだろうかと、VRChatを覗いてきました。
 うーん。無理そう。
 VRChatは視界の中にさほど多くの人を登場させないように作られたシステムのようで、千人規模の人が広い会場をうろうろしている即売会イベント向きではないようです。oculus quest自体も演算装置はスマホそのものでそうした用途には向かない気がします。Virtual会場イベント向きのサービスってないのかな?
 あと、HMDは表示品質がまだまだパソコンの(例えばiMacのRetina)ディスプレイにはとても追いつかず、昔のSD画質のテレビと地上波デジタル放送の中間くらいの解像感です。常に動画を見ているような感じで、文字を読むにはまったく適さずこの点でも「ああ、これは文フリVRは無理だ……」となりました。

 VRChatではチャットに参加するより先にアバターの自作を始めていました。自作アバターができてアップロードする段になり、ある程度(大雑把な操作を覚える程度の時間)経験値を稼がなくてはいけないことが判明して急いでUserRank:Visitor→NewUserにし、自作キャラが使えるようになりました。
 Twitterの箱ドットアイコンをVoxelというタイプの立体にしてみたのが画像なのですが、動くととても気持ち悪いキャラになりました。悲しい。
 アバターの自作では環境や手順を整えるのに少し苦労しました。

 VRChatのIDも「藤あさや TouAsaya」です。見かけたら遊んでやってください。

DLNA動画再生

 うちにはnasneがあります。テレビ録画のできるDLNA動画配信サーバー。nasneに録画した動画を見たいなーと思ったのですが、難しい模様。nasneのストレージ部分に(テレビ録画ではない)動画を置けばoculus questにも配信してくれるのですが。DLNAではなくSMBの共有フォルダにある動画を再生してくれるアプリもありました。

AR/MR

 oculus questでは拡張現実/複合現実を〜みたいな説明とともに紹介される「パススルー」機能。チュートリアルの紹介でも触れましたが、これはquestの外部に装備されたカメラで周囲の様子を写すものですが画像がかなり荒くて「あ、ちょっとパソコンの画面を見たいな」は無理でした。「近くにいるはずの猫の様子を知りたい」はぎりぎり可能、程度。置いてあるスマホを手に取ることはできますが画面の内容までは見えないので着信に応じるのは難しいです。

ゲームもやってみたい

 oculus questは本来はゲーム機、ということでゲームも遊んでみたいのですが洋ゲーはアピールの仕方がが和製ゲームとは違うみたいで選択の決め手になるものがわからずにいます。VRゲームのニュースサイトでもしばらく眺めてみようかな。

|

iPhone11購入

iPhone SEが壊れた

 長らく愛用していたiPhoneSEを壊してしまいました。液晶を割り、Amazonで売られていた交換パーツで修理して使っていたのですがバッテリーの交換も、と欲を出したのが失敗でした。液晶の交換よりずっと簡単なはずの作業で失敗して起動しなくなってしまいました。
 しばらく古いAndroid端末を使っていたのですが使い勝手が悪く、イベントで新型iPhoneが公開されるという噂に買い替えの検討を始めました。

iPhone 11購入

 iPhoneSEの後継機が欲しかったのですが後継機種が出る気配もなく……というわけでiPhone11の128GB・白を予約開始日にポチ。使っているパソコンがMacなこともあってやはりiPhoneの方が使いやすかったりします。

iPhone11本体

2019092201

2019092202

雑感

 大きい。
 重い。

 スマホでゲームをやらない私にはこの大きな画面はあまりメリットがないようです。テキストの電子書籍は読みやすくなりました。文庫本を縦二つ折りにしたくらいの感じです。でもやっぱりiPhoneSEの新型が出たらそちらを買いなおすと思います。

faceID

 別にホームボタンを押すtouchIDでも良かったんじゃ、くらいで使い勝手はさほど良くなってないです。

カメラ

 iPhoneSE比だとすんっごく良くなってます。一眼レフのような本格的なカメラに表現力が迫ってきていてこればかりは新しくして良かった点。超広角、ナイトモード、ポートレート。写真を楽しめる要素が増えました。ミラーレス一眼を持ち歩く頻度も減りそうです。少なくともスナップ撮影ならもうスマホでいいやと思えます。コンパクトカメラの出番は完全になくなりました。

ApplePay

 期待していた機能ではあるのですが今のところSUICAをiPhoneに統合できました、くらいしか便利な要素がないです。利用しているクレジットカードがVISA系なこともあって制約が多そう。iPhoneSEにはなくて割と楽しみにしていた機能だったのだけれどちょっと残念。ネット上のマイクロペイメントや非現金の対面個人売買(同人誌販売とか)には向いてそうな気がしたのですが。

ヘッドホン端子

 iPhone11が手元に来てみて思い出したのですが最近のiPhoneにはヘッドホン端子がありません。Bluetoothイヤホンは試聴してみた範囲だと音の細い機種ばかりで好みのものが見つけられません。付属のEarPodももっさりした音で好みではなく。というわけでThunderbolt <-> ヘッドホン端子の変換アダプタを買ってみました。
 ……Thunderbolt端子の接続が安定しないようで時々音が出なくなります。iPod touchやiPhoneSEのヘッドホン端子の方が音質まともな気がします。この大きさでDAC入り変換端子ならそんなものかな。

手帳型ケース

 ケースも購入。本体の公式発売日前なのにケースの方は選択肢も豊富でした。
 これは割と良かったです。ポリウレタンの外装も嫌味なく皮っぽくてiPhoneをホールドする部分もゴム系の素材らしく柔軟性があって割れそうにありません。

|

STAX SR-003mk2

20190521_01

 

 そろそろ暑くなりそう、と使用感が少々暑苦しい静電容量型ヘッドホンSTAX SRS-3170Aイヤースピーカー部SR-307を装着感の軽いSR-003mk2に入れ替えてみました。以前から使っていたSR-001mk2(ポータブル型)で装着感が気に入っていたので同じ形の据え置き用を買ってみよう!と。一聴し。
「あ、これ、いい!」
 音の傾向も好みです。装着感もSR-001mk2のまま。
 SR-307はコントラストの強いくっきりはっきり、無音部分がとても無音に聞こえてポップスの多くには合うのですが、一方でピアノやヴァイオリンの残響がすっと消えて聞こえることもあってやや寂しく思う面もありました。ピアノでストップを開放してぎょわーんと音を響かせた時に、SR-001mk2で気に入っていた感じがなかったのです。一方でSR-001mk2は明らかに音がぼんやりしていて「ポータブル用のアンプだとさすがに辛かったかな」という印象でした。
 それがSRS-3170AのアンプSRM-323SとSR-001mk2とほぼ同じイヤースピーカー部・SR-003mk2と組み合わせてみると音の柔らかさ・コントラストが低めであるのはそのままに細かな音がすっきり拾えてくるようになりました。SR-307での「こんな細かな音まで拾えてくる……」みたいなびっくりする感じは薄くはなりましたが。

  • ケーブルはSR-001mk2と同じ細めのままジャック部分が据え置き機用になった感じ
  • 耳に触れる部分はカナル型イヤホンのイヤーピースそのもので、イヤーピースはSR-001mk2までの長円型から円型になっていた。取り付け部のイヤースピーカー本体側は長円型のまま。
  • SR-001mk2の購入時は最初はほんとうにぼけぼけの音がしていて次第に音が澄んでいったけれど今回は最初からすっきり澄んだ音がする。

 というわけで暑い時期はこの軽くて蒸れないSR-003mk2でお気に入りの音楽を聴こう、と楽しみになりました。

20190521_02

|

より以前の記事一覧