カテゴリー「iPad」の11件の記事

Microsoft Universal Mobile Keyboard

Microsoft Universal Mobile Keyboard 購入

 Microsoft Universal Mobile Keyboardを買ってみました。

 このキーボードは

  • Bluetooth接続
  • 3種のマルチペアリング
  • ほぼVAIO Pサイズ
  • かな入力対応っぽい

といったあたりが特徴のようです。価格は六千円前後。ドスパラのWinタブレット、iPad、Androidスマフォといつの間にか三種が手元に揃った身には魅力です。特にApple製品への対応を謳っているあたりに惹かれたのでした。

VAIO type Pとの比較

VAIO type P と Universal Mobile Keyboard

 以前使っていてとても気に入っていたVAIO type Pと幅はほぼ同寸、奥行きは短めです。ドスパラの8inch WindowsタブレットとUniversal Keyboardとを組み合わせてみると非常に近いサイズ感。これはいい感じかもしれない……。

接続

 ところが問題があちこちに。

環境別認識状況
iPadキー配列の認識がUSに近く「ー」や「む」がキー刻印と違うキーでの入力になる。
Diginnous tabletWi-FiとBluetoothが排他でしか認識しない。電波干渉を起こしている模様。
FT142D XM日本語入力のON/OFFが変則的なキーであること以外は問題なし。

 

iOSにおけるJISかな入力時の反応
キー刻印入力
割当なし
割当なし
SHIFT+゜
SHIFT+け
SHIFT+む

上からiPad、Digginous+Universal Mobile Keyboard、Apple Wireless Keyboard 事前の下調べではiWnnを搭載したAndroid端末FT142Dはハードウェアキーボードを認識しない、とあってあまり期待していなかったのですが、手元のiOS、Win、Androidの三種ではもっとも簡単に問題なく繋がったのでした。
 一番期待していたDiginnous tabletはWi-FiとBluetoothの干渉という(おそらく)ハード構造の部分で問題が出ていてどうにもならないことが判明。テキストエディタや辞書ツールで馴染みのものが使え入力環境としてはもっともリッチなこともありWi-Fiをオフにして使うことにしたのでした。※2015/8/5追記 7月末のWindowsUpdateで配布されたWiFiドライバを適用することでWiFiとBluetoothの併用が出来るようになった。またWindows10でもWiFiとBluetoothの併用が可能なことを確認。
 iOSでは予想の通り……。かな入力とiOSの組合わせについてのネット上の情報がまちまちであったのであまり期待していませんでした。

 というわけで諸手を上げて賞賛というわけにはいきませんでしたが、打鍵感も筐体のかっちり感もモバイルキーボードとしては優れもの。特にWindows端末では本家Microsoft製品ということもあって端末側がWi-Fiと電波干渉を起こすなんてヘボいことが起きなければ使用感は良好であると思います。

打鍵感

 キーボード本体はモバイルキーボードとしてはしっかりしていて好感が持てます。蓋の開閉部分も安っぽくなく。その分、全体にやや重いですがこのあたりはトレードオフなのでしょう。もっとも「しっかりしている」といってもプラでできたモバイル用としては、です。
 キーのストロークは浅め。変な引っかかりやキートップのガタつき、傾きもなく気持ち良く打てます。配列はJISかな入力でも(WinやAndroidであれば)問題はない……のですが最上段の数字キー段のキーピッチが他のキーより詰まっているため高速打鍵するには多少の慣れが必要です。
 また、省電力機能との兼ね合いだと思いますが、入力操作が途切れて再開する際にややキー入力のレスポンスが鈍くなることがあります。Apple Wireless Keyboardでは感じられない種の遅延です。方向キーを押しっぱなしにするカーソル移動などは非常に高速にリピートします。

おまけ

 Universal Mobile Keyboardは蓋の部分がキーボード本体側ヒンジの先に磁石で接続されています。この蓋の部分だけ置き換えるタブレットが出れば面白い気がします。

|

SONY nasne 購入

nasne購入

SONY nasne CECH-ZNR2J

 nasneを買いました。
 iPadから使うつもりで。

 nasneはPlaystationシリーズの周辺機器のHDDレコーダーです。テレビを録画し、家庭内LAN経由でVAIOやPS vita、PS3、PS4等様々な機器から視聴するためのもの。

nasne導入

 パッケージも小振りで中身も小さいです。ゲーム機の隣に並べても違和感がない感じ。無線LANルーターのようにも見える外観。

 視聴は手持ちのiPad3にTV SideViewというAppから行うことにしました。設定はnasne自体も含めてTV SideViewだけで済みました。家電ライクです。あっさり映りました。
 TV SideView自体は無料Appですがnasneの番組を視聴するには500円のアプリ内機能購入が必要です。

nasne使用感

 あまり調べずに買ったのですが制限がいくつか。

  • iPadではストリーミング再生時の解像度が480p
  • iPadでは有償アプリが必要(アプリ内の有償オプション)
  • Mac OSXでの視聴は不可

 SONY社外品ということで制限されている要素もあるようです。

 nasne + iPad3 + TV SideViewの使用感は好印象です。特に難しいこともなく、ごく普通にテレビが見られます。放送を即時に見るストリーミングは480pですがiPadの画面サイズであればさほど見劣りすることもありません。むしろ480pとは思えない精細感があります。
 録画の持ち出し視聴(おでかけ転送)は720pのはずなのですが何か設定があるのか今のところ480pでしか表示できていません。

 操作はキビキビ、とwebのレビュー記事で見かけますが番組選択→表示開始までの反応が2〜5秒程度。ややもどかしく思える反応ですが、無線LAN越しの動画配信と考えれば上々なのかな。かつてのSONYのCoCoonやAppleのAppleTVはnasneとほぼ同じ用途の製品でしたがもっとキビキビしていたように思います。

 「おでかけ転送」は便利です。朝、録画をiPadに転送して家を出れば道中や出先で楽しむことができるというもので、操作が簡単なこともあって実用性が高く、nasne導入から連日利用しています。

 番組は現在放送中のものも録画予約も番組表からアクセスする形になります。テレビとして考えると視聴中にチャンネルを直接移動できずに不便なはず。録画のタイムシフト視聴のための機械なのだと思います。

 TV SideViewには「みどころピックアップ」という番組紹介コーナーがあるのですがここから番組を予約できないようなのが不思議です。なんのための紹介なんだろう……。

 これまで使っていたレコーダーには番組の自動録画機能があり、こちらの好みの番組をとりあえず録画できるだけ録画してくれていたのが便利だったのですが、相当する機能が見当たらないようです。割と気に入っていた機能だったのだけれど。

nasne感想まとめ

 テレビ番組をタイムシフト視聴する環境としてよくまとまってます。一方で仕様が不明瞭でiPadで何がどのくらいの品質で楽しめるのかがわからず「これでいいのかな」感も残りました。

|

Comic Glassで自炊電子書籍ストリーミング閲覧

Comic Glass ストリーミング・プラグイン

 Comic GlassというiOS用電子書籍ビューワがあります。画像データをZIP・RARでまとめたものやPDFが読めるScansnapを活用する電子書籍自炊ユーザにはお馴染みのツール。そのComic Glassが先日のアップデートでストリーミング表示に対応しました。有償プラグインでの機能追加です。

電子書籍

 iPadで自炊(自前で本をスキャンした)電子書籍を読む際にはあらかじめデータをiPadに転送しておかなければいけませんでした。大した手間ではないのですが、それなりに待ち時間やファイル管理の手間が要るので煩わしくはありました。Cloudが普及してみると、それまで自前でやっていたデータ管理が面倒臭過ぎたことに気づきます。iPadのデータもCloudみたいに楽に扱えればいいのに、と思っていました。

 Comic Glassのストリーミング機能はその欲求を少しだけ満たしてくれます。Cloudのように「どこでも簡単に使える」わけではありませんが、少なくとも

  • 自宅LANに接続できる環境で
  • PCかMacのサーバを一台動かしてあれば

Cloudにかなり近い使い方ができます。一覧から電子書籍データを選んで、開いてそのまま読みはじめることができ、ファイル管理の面倒から開放されます。

Img_0030

パソコン側でMediaServerを設定し

Img_0575

Comic Glass側でMedia Serverの選択設定。

Img_0576

パソコンのMedia Serverがうまく動いていれば一覧にパソコン名が出ます。

Img_0577

配信設定したフォルダ名を選択すると……。

Img_0578

ファイル一覧がこの通り。検索もできます。

Img_0579

ファイルをタップすれば後は普通に……。

Img_0580

転送が始まり。

Img_0581

大して待たずにページが表示されます。読んでいる最中にバックグラウンドで転送されるのでファイル管理の煩わしさがなくなります。

 WindowsかMac、あるいはMediaServer機能のあるNASをLAN上で待機させておけば、そこからComic Glassにデータを配信してもらえます。

 現時点では「一覧から選ぶ」「ファイル名検索」というファイル選択方法で、書籍データが多いと検索での利用が主になるでしょうか。
 MediaServerを必要とするのでその機能を持ったNASかパソコンが必須です。Timecapsule+Mac+iPadで運用している環境だと、通信がAFPであればMacは起動しておかずに済むのに、と贅沢を言いたくなってしまいました。

WOL

 常時Macを待機させておいたのでは省エネルギーという点からも望ましくないということで、スリープ待機させたMac miniをWake Up on LANで目覚めさせようとiPadとiPod touchにMochaWOLというAppを導入してみました。WOLパケットを送るツールです。簡単にできた!のですが幾度か繰り返してみると目覚めさせたMacがほんの数秒でまたスリープに入ってしまうこともあって今ひとつ確実な運用になりません。もうちょっと勉強が必要なようです。

★ ★ ★

 いずれはCloudにライブラリを構築する時代となるのかもしれませんが、紙ベースの書籍のスキャンも含めて過渡期の現在はまだまだ運用に工夫が必要なようです。うまく行った工夫のひとつがComic Glassのストリーミング機能ではないかと思います。書籍自前電子化に取り組まれていて、iPadを利用している方には強くオススメ。

|

小説創作とiPad テキストエディタ流浪編

 テキストエディタがない

 iPadで長文テキストを編集しようとして困るのがテキストエディタ。10万文字を超えると文字入力の遅延がひどくなって実用に耐えないものばかりです。

  • dropboxが使える
  • 日本語テキスト、ファイル名が扱える

という条件でいくつか評判の良さそうなエディタを試してみましたが、

200枚(8万文字)が読み込めないといったことはないものの、大きなテキストになると文字入力が重く、とても実用になりません。表示だけならばどれだけ長くてもさくさく・するするとスクロールするのに。

アウトライン

 一方で私は構造化テキストが好きです。小説を書くときにはとても重宝します。一太郎やWordで「アウトライン」と呼ばれているものと近いです。見出しをつけ、見出しの一覧から該当部分に簡単にジャンプできるような仕組。専用のファイル形式を使用するアウトライン・ツールは色々ありますが

  • wz形式テキスト
  • markdown

といったマークアップ言語ではテキストファイルのままでもアウトライン的なことが可能です。

wz形式テキスト

 wz形式テキストは行頭につけた“.”で見出しの階層を示すテキストです。wz editorで採用されていることからそう呼ばれているようです。SL-Zaurusでもwznoteといった対応ツールがあってとても便利でした。

markdown

 HTMLを簡潔に使用するための記法です。Wikiの編集画面で使われたりします。<p>だの<br>だのといった目障りな記号の代わりにスペースや改行記号の使い方でHTMLの標準的な記法の代用とします。

項目名 markdown記法 HTMLタグ
改行    (行末に半角スペース二つ) <br>
段落 (行末に改行二つ) <p></p>
見出し1(h1) # 見出し1 <h1>見出し1</h1>
見出し2(h2) ## 見出し2 <h2>見出し2</h2>
見出し3(h3) ### 見出し3 <h3>見出し3</h3>
強調 *強調* <em>強調</em>
強い強調 **強い強調** <strong>強い強調</strong>
引用文 > 引用文 <blockquote>引用文<blockquote>
箇条書き * リスト1
* リスト2
* リスト3
<ul>
<li>リスト1</li>
<li>リスト2</li>
<li>リスト3</li>
</ul>
順序リスト 1. リスト1
1. リスト2
1. リスト3
<ol>
<li>リスト1</li>
<li>リスト2</li>
<li>リスト3</li>
</ol>
リンク [リンク](http://example.net/) <a href=”http://example.net”>リンク</a>

 このmarkdown記法、1〜7の見出しレベルが使えるので一種の階層テキストになります。欧米圏のiPadアプリではこのmarkdown記法に対応しているエディタがあるようです。

青空文庫形式

 青空文庫のタグも3レベルだけですがアウトライン……というよりは見出しを付けられます。目次抽出用ですね。

項目名 青空文庫タグ HTMLタグ
大見出し ○○[#「○○」は大見出し] <h1>◯◯</h1>
中見出し ○○[#「○○」は中見出し] <h2>◯◯</h2>
小見出し ○○[#「○○」は小見出し] <h3>◯◯</h3>
ルビ |仮名《かな》 <ruby><rb>仮名</rb><rt>かな</rt></ruby>

 日本語のマークアップ言語であるだけにルビや傍点も指示可能なフォーマットですが、この形式をWYSIWYG編集できる環境はWin/Mac/iOS含めて見当たらないようです。
 Win環境ではwz writeはルビに関してはWYSIWIG表示できている模様。
 iOSでもルビのみ青空文庫形式に対応しているのが

ですが編集画面とビューワ画面が分離されているあたりは好みが分かれそうです。iText Pad/iテキストの両者は大きなサイズのテキスト編集でも重くなりません。素晴らしい。回り道をしていたら「長文編集に向いたテキストエディタがない」が解決されてしまいました。

 ところがこのiText Padは青空文庫用のタグ[#〜]を使用したテキストの編集ができません。iText Padに読み込む段階で青空文庫タグが排除されてしまい、タグの情報が失われます。青空文庫タグを積極的に使いたい私には向きません。非常に素姓の良いテキストエディットエンジンを持つだけに惜しく感じられました。

 Windows環境では秀丸を使用した青空文庫形式の階層の扱いやすい環境も用意したので、iPadでもせめて長文編集を苦手としないプレーンテキストのエディタだけでも、と思ったのですがそれは果たせないようです。

|

Amazon Kindleストアオープン

 日本のKindleストアがオープンしました。
 同時にKindle Paperwhite 3GKindle Fire HDの国内予約が始まりました。11月半ばには発売となるようですが10/27朝の時点で1月発送になるとの表示もあります。

Kindleストア

 Kindle端末はまだですが、手元のiPadでKindleの書籍を買ってみました。webブラウザで購入→iPadアプリで読む、という流れになります。iPadアプリ上から直接Kindleストアでの買い物はできませんでした。

 『のだめカンタービレ』は紙コミックス版で23巻まで買って「完結したんだ」と思っていたのですがオペラ編の続きがあったようで24、25巻は未購入でした。Kindle版で発見したので購入。

 コミックはScansnapで電子化するとデータサイズが嵩張りがちなのですが電子書籍版は上手にデータサイズを抑えているようです。解像度はiPadでの見開き表示で微妙にぼやけてるかな?という程度でかなり高品質。自前で電子化するとノドの部分を裁ち落としてしまいますが、商品ならばそんなこともなく見開きも綺麗。……あれ?ページによっては見開きの左右がズレたりもしてますね。
 解像度をもっと上げて欲しいとか、DRMが邪魔だとか不満もありますが、RetinaのiPad+Kindleアプリであれば読書体験として悪くないように思いました。

 楽天koboストアやSONY Readerストア、Galapagosストアと比べると、通販の王者・Amazonだけにショップの出来に明らかなアドバンテージがあります。う〜ん。なんで日本のショップはこの使いやすさを真似できないんだろう。

電子書籍ストア比較

 ITmedia eBook USERの定点観測:電子書籍ストア蔵書点数記事を元に表で比較してみます。Kindleストアは元記事になかったので自前で調査しました。ジャンル分類や統計方法がストアによって違うので参考程度に。

電子書籍ストア蔵書点数(2012/10/26版)
 ストア    書籍    コミック    雑誌    トータル   コミック率 
GALAPAGOS STORE 47581 27851 5958 81390 34.22%
Reader Store 40069 24743 2386 67198 36.82%
Koboイーブックストア 54211 11155 65366 17.07%
Kindleストア 54012 14806 68818 21.51%

 履歴も含めてグラフ化してみたものがこちら。一回しかデータのないKindleが埋もれてしまっていますが。

20121026

 GalapagosストアやSONY Readerストアはコミックスの多い分抜け出しているみたいです。今の増加ペースだと年間4万点程度なので紙書籍の年間7万点にも及ばず、電子書籍が紙書籍の品揃えに追いつく日が見えてきません。

DRMと貸本

 「Amazonの電子書籍は貸本である」というwebの記事やツイートが回ってきました。これは「違う」と言いたいです。

 Kindle Direct Publishingというデジタル個人出版の仕組もKindleストアと同時に日本向けに始まっています。このシステムではDRM(コピー制御)も施すことができるのですが、DRMなしを選ぶこともできます。貸本、という言い方はこのDRMのことを指すのでしょう。出版社向けのメニューではどうなっているか確認することは私にはできませんが、恐らくKDPと同様の設定ができると思われます。つまり、電子書籍を貸本状態にしているのはAmazonではなく版元——出版社です。電子書籍ではオライリーという技術系書籍専門出版社がDRMなしを謳っているので、ここがKindle日本ストアにタイトルを並べるようになればはっきりするでしょう。
 現状の電子書籍が貸本状態であるのはGalapagos、SONY Reader、Koboでも同様です。失敗に終わったΣbookやLIBRIeとも状況は変わっていません。これは電子書籍ストアの淘汰が始まったときに大きな問題となるはず。デスクトップ検索での書籍内検索利用も含めて、DRMの廃止、もしくは端末やお店の利用IDではなく、個人にDRMを紐づけるような仕組が欲しいところです。

Kindle Direct Publishing

 上の項でも書きましたが、始まっています。KDP日本。

 ただし、まだイマイチな部分もあってAppleのiBooksできちんと縦書き表示できるePub原稿を元データにしてKDPにアップロードしても縦書きのmobiになってくれません。このあたりは良い原稿作成フローを見つける人がでてくるか、KDPの対応を待ちたいと思います。

 ePubを用意する→Kindle Previewで表示、という手順でaozoraepub3で作成したePubが縦書き・ルビあり・傍点あり・章題ありできちんと認識されました。「Table of Contents」に目次がきちんと表示されなかったのが惜しいものの、かなり簡単にKindle向けデータが作れることは確認できました。
 Kindle Previewは28日までのMac版ではMountain Lionでは起動不可だったのですが差し代わったようです。

 自作小説の無料版を配布したいのですが0円設定は裏技的な方法しかないようです。

|

wz形式構造化テキストのOPML変換

 構造化テキストというものがあります。

.項目名A
内容
..項目名B
内容
..項目名C
内容

 wz形式テキストと呼ばれたりしますがPalmのメモあたりが起源のような気もします。行頭に置かれた“.”(ドット)の数で階層の深さを表現する単なるテキストファイルで、対応しているソフトでは下のようにツリー構造で表示されます。例は小説を書く際のもの。

秀丸による構造化テキストのツリー表示

 Windowsではwz editorや秀丸エディタがこのタイプのテキストに対応していて、SL-Zaurusでもwznoteという名アプリがありました。簡素なアウトラインプロセッサで採用される形式です。
 ところがMacやiPad/iPhoneのアウトラインプロセッサ、アイデアプロセッサではこの種のテキストは使われずOPMLという形式のXMLが使われています。変換ツールも見当たらないようなので、作ってみました。秀丸マクロで。

2012.10.24追記:うまく変換できない階層テキストがあるようです

  • wz形式構造化テキストをOPMLに変換する秀丸マクロ wzopml.mac

wz→OPML変換結果 simple outliner 変換対象はiPad/iPhoneアプリのsimple outlinerの有料版。dropBox経由で読み込ませることができました。OPMLは採用アプリごとに互換性が怪しく他のアプリで使えるかどうかは不明です。
 変換したい構造化テキストを秀丸で表示し、上掲のマクロを動かして拡張子opml、文字コードutf-8で保存すれば良いはずです。制限としてはツリー階層に「飛び」がある構造化テキストは変換結果がおかしくなります。

.項目名A
内容
.......項目名B
内容
..項目名C
内容

 こういうのはうまく動きません。
 動作すればラッキー、くらいのおつもりでお試しください。複製・改変・再配布自由のCCです。

|

小説創作とiPad Idea Sketch編

 小説創作とiPadという記事でアイデアの整理用にIdea Sketchというアプリを紹介しました。今回はIdea Sketchの有料アドオンを導入してみたので、あらためて紹介を。

有料アドオン

 Idea Sketchの有料アドオンで追加されるのは、

folder organization, iCloud, AirPrint, 4 more shapes, 4 more color themes (each with 8 color choices), 5 more fonts, high-quality PDF diagrams (ideal for printing), and edit diagrams on a Mac or PC desktop using any software that supports the VDX file format such as OmniGraffle and Visio.

そのまま見ればわかりますが一応日本語にしてみると

  • データのフォルダ分類が可能
  • iCloudによるデータの同期
  • AirPrintでiOS機器から直接印刷可能
  • 4つの図形追加(ダイアグラムの囲い図形)
  • 4つのカラーテーマ追加(色パレット)
  • 5つの追加フォントが使用可能に
  • 高品質PDFでの出力
  • VDXファイル出力でOmniGraffleやVisioでダイヤグラムが使用可能になる

といった機能が追加されました。
 iCloudの同期、便利です。iPod touchとiPadで意識せずにデータを共有できてます。iCloudでの同期を有効にするにはiOS端末のそれぞれのIdea Sketch上のスパナアイコン→Seetings→Use iCloudでOK。

設定画面Settings

 増えた図形はこんな感じ。色は「セット」でカラーパレットごと変わります。ダイアグラム中で使用できる色数が増えるわけではないです。

図形種類が増えた
カラーセット変更

 フォント追加は日本語ではイマイチなようで、文字化けも。デフォルトのフォントで使うのが良さそうです。
 iCloud対応がアドオンの目玉かと思います。

小説創作とIdea Sketch

 小説のアイデアいじりではあまり分類をせずに使っていて

小説ダイアグラム

こんな感じ。左半分がイベントで、右半分が設定です。どことも繋がっていない要素は未整理のアイデア。黄色で縦一列に並んでいるのがメインストーリーです。要素をあっちに置いたりこっちに移動したりしながら試行錯誤してます。
 細かく分類しないのがオススメ。図形や色を駆使して細かく分類してしまうとアイデアが増えるうちに「この分類ルール変えたい」となるのですが、その頃にはもうダイアグラムが大きく育っていて分類し直すのが億劫になり、丸ごと放棄することになりがち。

かなり重い

 日本語環境特有なのかもしれませんが、ダイアグラムが大きく育ってくると各要素の説明文(画像の小窓内の文章)の入力・表示レスポンスが低下します。また、ここに示したノード数166のダイアグラムをiPadで読込・表示させる際には一呼吸以上待たされる感じです。iCloud同期を有効にすると起動からアイデア一覧が表示されるまで多少の時間がかかるようにもなります。

|

Real Racing 2 HD

 たまにはゲームの話など。

 iPadでReal Racing 2 HDというゲームを買ってみました。新しいiPadのRetina対応レースゲームです。iPad2向けにリリースされたものですがマイナーチェンジでRetina対応もしているようです。

Img_0086

Img_0089

 モバイル端末で2048×1536なんて解像度の3Dゲームがまともに動くのだろうか、と思ったのですが動きました。十数台のマシンが並んでいても問題なく。動きも滑らかです。PS3のようなスペックのゲームが持ち歩ける端末――しかもゲーム専用機ではないタブレット端末でできるようになっちゃったんだ……と感心してしまいました。この大きさの画面が持ち運べて遊べるってのはインパクトがありました。

 遊んでみるとiPadを傾けるハンドル操作がイイ! 傾きセンサは敏感過ぎず鈍過ぎずで操作しやすく、ハンドルコントローラーで遊んでいるようでした。アクセルとブレーキは画面左右端をボタン代わりにタッチしての操作で、これは普通のゲームコントローラーのようなオン/オフのみのデジタル操作。

 面白いのは対戦です。複数のiPadを一つのWiFiに繋げばそれぞれのiPadのそれぞれの視点で遊べて、家庭用ゲーム機のように画面が分割されて見づらくなったりしません。ただ、iPadを持ち寄らないと始まらないので少し敷居が高いでしょうか。ゲームソフト自体は(セール期間中だから?)170円と気軽に購入できたのでiPad/iPhoneユーザが複数集まった際に気軽にみんなで遊べるはず。(iPhoneやiPod touchはReal Racing 2

 一人で遊ぶためのCareerモードはクリアするのに十時間以上必要だとか。難易度EASYで始めてみましたが確かになかなかコンプリートしません。コース数も多くてとても覚えきれない……。

 アクセル/ブレーキのサポートがフルだと難易度が下がりすぎて楽勝になってしまうのですが、ブレーキのサポートを切るといきなり難易度が跳ね上がります。

 シミュレータ的なリアルさではなく、マリオカートのようなゲームっぽさでもなく、“車”がカッコ良く走っている感じのする楽しいゲームだと思います。

|

小説創作とiPad

 創作系ブログとしてはiPadでの小説執筆に触れないわけにはいきません。

アイデア整理

 iPadの購入前から「このアプリはiPadで使いたい!」というものがありました。Idea SketchというiPhone/iPad Appです。

小説のアイデア整理中

 この種のダイアグラムはチラシの裏に書くのが一番実用的な気がするのですが、デジタルは試行錯誤を繰り返せる強みがあります。iPod touchでも印象の良いアプリで、iPadの大きな画面になって実用性がぐっと上がりました。

お・も・し・ろ・い!

 ツールを使ったからといって良いアイデアが湧いてくるわけでもないですし、頭の中が整理されるわけでもない気はします。ただ、アイデアをいじるときには何かしら形になっていた方が楽で楽しい。
 アウトラインモードとダイアグラムモードの往復もスムーズで、使い勝手の練られたアプリだと思います。

 Idea Sketch以外にも、マインドマップやアウトラインプロセッサには優れたツールがたくさんあるので、お使いの環境、用途、好みに合わせたものを探してみるのも楽しいかと思います。MacだとScrivenerやOmni Outlinerといったあたりが有名でしょうか。WinだとWz Editorや秀丸、あるいはOfficeのアウトラインモードのユーザが多いかもしれません。

文字入力

 小説創作で気になるのはタッチでの文字入力。iPhone/iPod touchのフリックでは心許なくもありましたが……。

ソフトウェアキーボード

 iPadの大きさではフリック操作が合わず、文字入力は通常のキーボードをタッチ画面で操作するソフトキーボードが文字入力の主力となります。

  • iPhone/iPod touchでのフリック入力よりは高速に打鍵できる
  • 一応、タッチタイプができる
  • 日本語はローマ字入力だけでJISかな入力ができない

 微妙です。
 とても使えない、というほどダメではないのですが、デスクトップパソコンのキーボードほど高速/快適に打鍵はできません。VAIO Pやポメラよりも打ちにくいです。ZaurusやIS-01のような手のひらサイズの親指打鍵端末と比べてもイライラします。
 タッチタイプは可能ではあるものの、キーの位置が掴めずソフトキー表面に指を置けないためベースポジションの確認ができないためでしょうか、誤打鍵が多いです。iPadのソフトキーボードで小説書きをする気にはなれませんでした。せいぜいがメモ程度でしょうか。

Apple Wireless Keyboard
Img_0065
Img_0064
R0015919

 Apple純正のBluetooth接続・コンパクトキーボード。iOS5でJISかな入力に対応したそうで多少の設定が要りますが快適に使用できました。

 JISかな配列で入力をするには

[設定]-[一般]-[キーボード]の[テンキー]と[フルキーボード]の両方の項目で[ハードウェアキーボードの配列]を「JIS

に設定します。
 慣れた入力方法で使用するとiPadが非常に快適なテキスト入力環境に化けました。問題はキーボードです。Apple Wireless Keyboardはデスクトップ用としてはコンパクトですが、持ち歩くには少々嵩張ります。現在、持ち歩けるBluetoothキーボードを探索中。

 Apple Wireless KeyboardはMacとも共用できます。ただし、MacとiPad/iPod touchでの同時使用はできません。

 また、iOSではキーボードはあくまでも補助的なデバイスという位置づけであるようでカット、コピー、ペースト、検索といったテキスト編集でよく使う機能へのキーボードショートカットがなく、画面のタッチを求められる状況が多いです。かな漢字変換においてのカタカナ、かな→英字置換、全角→半角置換といったショートカットもなしです。かな漢字変換では推測変換もオフにできないため、煩わしく感じられる場面も多いです。

音声入力

120415_17_07_23 完璧ではありませんが、ソフトキーボードを使うよりはずっとスムーズです。認識率は予想よりも高く、この文章も音声入力した後に入力不可能だった語を補い、体裁を整えただけです。

  • 擬音
  • 専門用語
  • スラング

 このあたりは認識できない単語も多いです。くだけすぎない日常会話であれば問題なく認識できます。句読点は「てん」「まる」で入ります。機械に向かって喋るので、周囲に人のいる場所では使いづらいもののだけ打鍵の苦手な人にはとても便利なツール。初めて体験すると驚くこと請け合い。一単語ずつでも、文章としても入力できます。
 音声入力だけでは入力できない文字や記号もありますが、ソフトキーボードとの併用で十分に実用になります。しっかりしたキーボードを使っていても喋るより速く打てる方もそう多くないはず。ぜひ体験して欲しい機能です。
 弱点は人前で使いづらい、ということでしょうか。機械とおしゃべりしている姿を他人に見せるのは、少し抵抗があります。

テキストエディタ

 iPadの小説書きで躓くのは編集アプリです。アプリ自体は色々あります。短文の入力・編集程度ならばiOS標準の「メモ」でも良いくらい。
 ところが、長文となると話が変わります。欲しい機能はこの三つあたりでしょうか。

  • パソコンとの小説データの同期
  • プレーンテキスト
  • 縦書き表示

 前二項を満たすアプリの中で評判の良さそうなものを使ってみました。

 Dropboxが利用でき、範囲選択や検索といったUIも馴染みやすく好印象です。ただ10万字以上を編集しようとするとどちらも動作が重く現実的でないです。Plain Textの方が多少マシな程度。
 縦書き編集は

といった選択肢もあるにはあるのですがデザインに馴染めなかったり、クラウド対応がなかったり、更新が止まっていたりと決め手に欠けます。

 文章の入力に専念するならきちんとしたキーボードのある端末が向いているでしょう。iPadに加え外付けキーボードを、となるとノートPCの方がずっと使いやすいはず。

まとめ

 iOS搭載デバイスは総じて文字入力が苦手です。基本はビューワなのでしょう。
 今回試した中で唯一、Idea Sketchはパソコンでする同種の作業よりもずっと快適で、直感的で、iPad環境ならではの良さがありました。

|

Scansnap+新しいiPad=?

 iPadの購入目的にScansnapで電子化した、いわゆる“自炊”データの利用がありました。
PCニュース系サイトでも特集記事が組まれていたりしますね。

 PCニュースサイトでもしっかりした“自炊”記事が出てくるようになって、個人ブログでは手順やレビューの必要もなくなった気がします。

iスキャミルもどき?

 初代iPad、iPad2では解像度不足でスキャンデータの閲覧には向いていませんでしたが、新しいiPadの2048×1536、264dpi表示は印刷品質に近く、スキャンデータも実用的に表示できると思い購入に踏み切りました。
 感想。

ようやく“自炊”データの表示環境が整った。

 この一言に尽きます。
 もちろん“自炊”環境としてはまだまだ問題山積みです。

  • iPadのフラッシュメモリ容量が足りない
  • 上記を補うために自宅NASのデータをパーソナルクラウド化して参照したいが煩雑でまだ実用度が低い
  • Spotlight(デスクトップ検索)が自炊データを対象にしていない
  • パーソナルクラウドのセキュリティが心配
  • “自炊”はやっぱり面倒臭い

 最後の「面倒臭い」はiPadとは関係なく“自炊”についてまわる問題です。以前の記事「ドキュメントスキャナ ScanSnap・その5」にもまとめましたが、結論だけ書くと「労力対効果で“自炊”は割にあわない」という話です。

 2048×1536ドットの液晶はScansnapでの作業も変えそうです。以前は300dpiでスキャンし200〜250dpiに縮小していたのですが、260dpi超のiPadで縮小は無用です。300dpiのままコントラスト調整と、モノクロ原稿の場合にはプラス・グレースケール化で十分。トーン部分のモアレ対策も特に必要なさそう。これまで作成した自炊データは微妙に見劣りするようになりました。
 Scansnap自体も第3世代iPadの登場で画質の向上が期待されるようになったのではないかと思います。

 高精細画面のiPadで恩恵を受けるのは電子化した書籍を読む人です。
 「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが私はScansnapで電子化した本は検索して使うばかり――辞書のように使うのが主でした。通読することには使っていなかったのです。パソコンもモバイルも、モニタに十分な解像度がなくて楽しむ水準に達していませんでした。
 新しいiPadではスキャンした漫画も小説も雑誌も十分に快適に楽しめます。
 2012年型のiPadでようやくスキャン書籍を“読める”ようになった気がします。結果、冒頭の「“自炊”データの表示環境が整った」という言葉となりました。

 でも、新しいiPadにはひとつだけ大きな欠点があります。

 重いっ!

 650gは手に持って読むにはキビシイです。

|

より以前の記事一覧