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SONY MDR-EX750購入レビュー

SONY MDR-EX750購入経緯

 イヤホンを新調しました。SONYのMDR-EX750というモデルです。
 外で小説を書いている時に使っていたEtymotic ResearchのER-6を壊してしまい代わりになるものを、と家電ショップに試聴に行きました。お目当てはBluetooth接続のヘッドホン。外耳炎の経験がありイヤホン、特にカナル型ではいつ再発するかと心配だったのです。オーバーヘッド型のヘッドホンでそんな憂いとはおさらばさ!です。
 当初はAKG Y45BTのような小振りなヘッドホンにするつもりでしたが家電ショップで試聴して「う〜ん?」となりました。隣にあったAKG Y50BTを聴いてみたところ「こっちのがずっといい!」と。「ノイズキャンセラー付のも面白そう」ということでSONY MDR-ZX770BNも聴いてみると「インパクトないけどこっちも悪くない感じ」でした。でもどちらも大きい。売り場をうろうろして悩んだあげく毎日持ち歩く気にはなれそうもないということでイヤホンに路線変更です。

 脱線ですがついでなのでBluetooth接続の上級機SONY MDR-1RBTを聴いてみたら「値段の高い音がする!」でした。笑っちゃいそうですがほんとそういう感じ。有線ヘッドホンでも上級機はたいてい細かい音が拾えてすっきり聴こえ余計な音がしないのです。770BNも「欠点ないし質も高いけどコレ!という魅力がないような」とSTAXユーザ的には思ってしまいました。STAXは入門モデルであってもクラシックを聴いたときにダイナミック型やBA型にはない「うわー」と思える美しい響きがあったりします。欠点もありますが美点が吹っ飛ばしてくれます。いや、そういう買い物にきたんじゃなかった……。外で小説書きの友になる実用的な(あまり高価すぎない)ヘッドホン改めイヤホンを!

 有線イヤホンについてはろくに調べていなかったのですがぶっつけの試聴だけで選んでしまうことにしました。最初に目に留まったのがSONYのExtra Bassシリーズ。低音ずんどこはとても楽しそうです。外出時には特に。ところが試聴してみると「……?」でした。うんと低い音が出てるわけでもないし地響きを感じるわけでもない。力強いわけでもなく引き締まった低音でもなく。まどマギの『Magia』やパイプオルガン曲を低音の目安にしているのですがどちらも楽しくない……。以前使っていたAERIAL7TANKの楽しさと比べると残念な感じです。
 家電ショップでは適当に目についた製品を試して歩いたのですが、良い感じに聴こえたのが今回購入したSONY MDR-EX750でした。率直にいえば無難な音なのですが、1万円帯では価格の割に質は良さそう。細かな音がよく聴こえ、試聴の曲を色々試してもおかしな鳴り方をする曲がないのです。10本くらい試してみると無難なモデルが良いような気もしてきます。試聴も飽きてきたのでこれでいいやとSONY MDR-EX750にしました。

MDR-EX750ファーストインプレッション

 帰りの電車で早速聴いてみました。

  • 遮音性はそこそこあるのに車内アナウンスはしっかり入ってくる
  • 低音はそれなりに出てる
  • タッチノイズがEtymotic Research ER-5より少ない
  • MDR-1RBTと似て優等生的な高価格帯の音

 好印象です。クラシックでもJazzでもゴシックメタルでもアニソンでも試した範囲ではおよそ苦手なジャンルがありません。低音はちゃんと出てます。Extra Bassシリーズより低いところまで引き締まった低音が鳴ってる気がします。歩きながら聴いても自分の足音やタッチノイズがうるさすぎるということもなく、ジャンルを選ばないだけでなくシチュエーションも広く対応するようです。

 化粧箱はそれなりに見栄えするものではありますが1万円弱の製品ならもっとシンプルなパッケージでも良かったような気がします。ちょっと邪魔でした……。

MDR-EX750おうちで比較

 自宅でも聴いてみました。EX750。
 結論からいうと「アンプ!」でした。iPod touchと据置DACのヘッドホン端子とを比較してみたところ少し印象が変わりました。iPodのヘッドホン出力は音量自体はそこそこ出せるものの駆動能力は低めだったのを思い出しました。EX750では出力に余裕のある据置DACとiPodの差が音の線の細さに出ました。iPod touchでは残響のような成分が減ってしまいます。試聴の際にExtra Bassシリーズが残念に感じられたのはiPodの駆動能力が足りてなかったのかも。
 ポータブルアンプ持ち歩けってことかな……。それはさすがに小説書きの友からは外れてしまっているような。

 据置DACに繋いだMDR-EX750ですがクラシックが(ポータブル用途としては)まあまあ楽しく聴けます。少し大きめの音量で音に包まれる感じにするといい感じ、はダイナミック型共通。トラーゼのプロコフィエフ・ピアノ協奏曲。ベロフのドビュッシュー前奏曲集。ハーンのシェーンベルクヴァイオリン協奏曲。ボロディン四重奏団のショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲。このあたりが良い感じ。バロック音楽もタイトに響く低音のおかげで気持ち良いです。音色そのものが美しいわけではないのでヴァイオリンの独奏などは残念な感じですが小〜中規模オケで打楽器が活躍する曲には割と合うみたい。
 澤野弘之のBEST OF VOCAL WORKS[nZk]BEST OF SOUNDTRACK【emU】といったメリハリのあるアニメサントラは合う方。音場がしっかりしてて楽器の分離の良い録音と合う……のかな。
 ただ、まだ買ったばかりであるせいかハイハットを連打するようなところで音が繋がってしまって耳に刺さります。この粒の細かい音が連続するところでのイマイチな感じは椎名林檎のノイズ多用曲では聴いてるのが苦痛なレベルに。ボーカル曲の、日本製イヤホンやヘッドホンでよくいわれる「サ行のきつさ」もあってこれも同根であるように思います。気になったのはこのくらいで全体に優等生。ただし、用途はあくまでもポータブル向けで、騒音のある場所でも聞き取りやすい音であって、静かな場所で繊細な音を楽しむのには向かないと思います。

ノイズアイソレーションイヤーピース EP-EXN50M

 オプションのイヤーピースで良さげなのがあると知りました。SONY ノイズアイソレーションイヤーピースです。さっそく買ってきました。
 これは単純に遮音性を上げるアイテムみたいです。装着感がやや固くなるのでフィットサイズが標準のイヤーピースとはちょっと違うかも。私の場合は耳が痛くなったので元の標準イヤーピースに戻りました。遮音性も心持ち良くなる程度で効果は小さめです。むしろ装着状態の方が音に大きく影響するので、よりフィットする(かもしれない)ちょっと感触の違うイヤーピースと考えて試すのがおすすめ。過剰な期待をするようなものではないです。

ハイレゾ音源を聴いてみた

 MDR-EX750は「ハイレゾ対応」です。幸い、使用している机上のDACは96Khz/24bitまで対応していますし、音源もあります。

 DACの設定を96Khz/24bitモードにし『Hilary Hahn J.S.Bach Violin Concertos 88.2Khz/48bit』を再生してみました。これ、幸いにも?最初に買ったCD版(44.1Khz/16bit)とハイレゾ音源配信が始まったときに飛びついた88.2KHzの両者が揃っていて比較が可能です。さっそく聴き比べてみると……。

 わかんない。

 20Khz以上の音などふつうは聴こえないので当然といえば当然なのですが、音の定位や音場が違って聴こえるのではないかと期待したもののそういうこともないようです。1万円以下のポータブル用途の製品に期待しすぎてもいけないのかな。あるいは耳があまり良くないのかも。
 波形を編集ツールで比較してみると24bitのハイレゾ音源の方が音量の範囲が広く(弱奏パートと大音量パートの音量差が大きく)とても単純比較できなさそうです。またデジタル配信初期のものであったせいかデータ自体に微妙?と思える要素もあってこのデータでのCDフォーマットとの比較は避けた方が良さそう。残念。

ある程度使い込んでみた感想

 購入から一ヶ月ほどを経てそれなりに慣らしも進んできた頃合いかと思うので印象のまとめなど。

 ボーカル曲における「サ行のきつさ」は多少緩和されましたが解消にまではいたっていません。ハイハットを連打するようなところではやはり耳障りに感じられます。品質が安定していて使用開始直後からそれなりに性能を発揮できているということなのでしょう。それでも全体に音の固さがとれ、机上DACとiPod touchでの残響の柔らかさに差が出なくなってきたように思います。耳が慣れてきただけかもしれませんが。

 ボディはアルミらしいかっちりとした感触があって好感が持てます。塗装してあるので傍目にはプラと見分けがつかないのはちょっと悔しいかな。ケーブルは絡みにくくしなやかで非常に使いやすいです。ハイレゾ対応は音源側がまだ十全に生かしきっていないということもあるようですし、イヤホン本体にしてもポータブル用途でハイレゾというのはぴんと来ません。ティーンの繊細な耳であっても歴然とした違いを感じ取るのは困難だと思います。そもそも可聴範囲外の高音以前に、普通に聴き取れる音の範囲で「サ行の刺さり」「ハイハット連打が耳障り」といった些少ではある弱点はハイレゾ以前の問題に思います。たぶん高品位音源が活きてくるのはSHURE KSE1500 高遮音性コンデンサー型イヤホン KSE1500SYS-J-Pのようなハイエンド製品での話なのでしょう。お値段すごくてポータブル用と思うと手が出ませんが。

 苦手とするような曲ジャンルもなく、すっきりとした音で楽器それぞれの分離も良く立体感があり、うんと低い音もそれなりに再生してくれて、強めの低域はスピード感がありタイトで締まりある鳴り方でぼわぼわせずにボーカルや高音をマスクしてしまうようなこともないとても優等生的な音です。低音はタイトではありますがイヤホンらしいそれで、重くて量感のある鳴り方ではないので「これほんとに低音かなぁ?」と不満に思う人もいるかもしれません。プレーヤーとウェットティッシュを持って家電店で試してみるのがおすすめです。

 遮音性はほどほどで地下鉄や人声で満ちたファストフード店などではやや周囲の騒音が気になります。でも歩いているときの周囲の気配を断ってしまう程度には遮音性はあります。静かな図書館で音漏れを気にする必要もないはず。

 2017年6月に入ってコネクタピン近くで断線が起きかけていて、音が断続的におかしくなってしまいました。残念。


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Scansnapと連携する読書環境・brc+bReader

 以前に、「iPod touchとScansnap」という記事で“イマイチ”と評したiPod touchでの自作電子書籍活用、条件付きですが“使える”環境もありました。
 まずは、iPod touchのスクリーンショットを見てください。

Brc_sampleBrc_sample2

引用元:『出撃!魔女飛行隊』ブルース・マイルズ著 手島尚訳 学研M文庫

 bReaderというiOS Appとそのおまけソフトであるbrcを利用してスキャンした文庫本を表示してみたものです。スキャンデータなのに、文字サイズを変えてリフロー表示できています。

 brcはMac版とWin版の両方があります。

 bReaderはiPhone/iPod touch用の電子書籍ビューワです。ePubや青空文庫形式、PDF、テキストなどの様々なフォーマットの書籍を読むことができるアプリで、bookYARDという電子書籍投稿サイトとも連携しています。

 Scansnapなどのドキュメントスキャナで作成した電子書籍には弱点がありました。iPhoneやiPod touch、あるいは昔のPDAのような小さな画面の端末に表示させたときにとても読みづらくなってしまうのです。スキャナで読み取ったものはただの画像なので、小さな画面に表示させると文字が小さくなるか、ページの一部しか表示できなくなってしまいます。“リフロー”ができないということですね。
 これを解決するには二つの方法がありました。

  • OCRでテキスト化する
  • MeTilTranというツールであらかじめ読みやすい文字サイズ・配置にリフローした画像を作っておく

 前者には認識率の問題があります。使ったことのない人が想像するよりはずっと認識率は高いですが、半端に誤認識が出るために純粋なテキスト化はめんどうです。後者は「画像を文字単位で切り出して(昔の新聞切抜脅迫状のごとく)並べ直して好みの版組に直すというツールで、設定の難しさもあってマニア向きでした。
 ところがbrc+bReaderという環境ならば

  1. スキャンデータのJPG連番ファイル群をZIPで一つにまとめる
  2. brcというツールにDrag∧Drop
  3. ZIPファイルに解析情報が格納される(サイズはほとんど増えない)
  4. iTunesでiPhone/iPod touchに転送しbReaderで表示する

 これだけでリフロー可能な電子書籍となります。なんてイージーなんだろう、と驚きました。

  • 罫囲いされていたり装飾的な体裁の本ではうまく機能しない
  • 縦書きの本専用

 など、不完全な部分もありますが(ver1.01beta11)、今のところiPhone/iPod touchでスキャンした縦書きの本を読む、ということのもっとも手軽で快適な環境であると思います。

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Sleep Cycle alarm clock

Sleep Cycle alarm clockの睡眠ログ画面

 iOS用目覚まし時計アプリSleep Cycle alarm clockのレビューです。

 Sleep Cycle alarm clockを起動したiPhone/iPod touchを枕元に置いて寝ると、モーションセンサーでで振動を検知し、寝返りetcの体の動きから眠りの深さを計算、眠りの浅い時間帯に起こしてくれるというもの。眠りの浅いタイミングで起きると目覚めがすっきり!ということのようです。

 電源につないだiPod touchを起動状態で布団に置きっぱなしにするので最初は「え〜」と思ったのですが、一晩試してログを見たら面白い! 添付した画像がそのログです。科学雑誌の睡眠特集などではもっと短いサイクルのasleep〜deep asleepの波を繰り返していたような気がします。う〜ん。寝酒を飲んだからかな。ちょうど酔いが醒めそうな時間帯に一度目が覚めていた?(記憶が曖昧)
 目覚めの方は歴然とすっきり壮快!とは言いませんが、睡眠時間をたっぷり取った朝だったこともあり二度寝したいほどではありませんでした。

 Androidアプリ、あるいはSLEEPTRACKER PRO Eliteのような単体目覚ましでの同コンセプトの製品もあるようです。

 飽きてしまいそうな気もするけれどログを取るのが楽しいのでしばらくSleep Cycleを使ってみよう。睡眠の質を評価できたりはしないのかな。

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Appigo sync + Todo

iPod touch Appigo Todo画面

 Mac miniとiPod touchのTodoがiTunesで同期できなくて不便だったのですが、簡単に解決しました。TodoはMac OSX側では標準搭載されているもののiOS側には載っていない機能で、iOS用のTodoアプリがたくさんありました。無料版のものをいくつか試してみて正直どれも大差ないと思ったのですが、最終的にAppigoというソフトハウスのTodoを購入してみました。……一番無難そうだったから。

Todo同期ツール
Mac/WinAppigo sync Free
iPod touchAppigo Todo 600円
  • パソコン側とiPod touchの両側でアプリが必要
  • LAN経由での同期が可能
  • 無料のTodo Lite版はデータの登録件数に制限があった

 こんなところでしょうか。シンプルなツールなので特に苦労も工夫もありませんでした。Appigo Todo独自の拡張機能部分(画像の上半分)はMacのiCal/Mail上に反映されないので不要かな、とは思いました。
 Todo機能、最初からiOSに標準搭載されてもいいのに。
 Todoは役割を果たしたら期日なり完了日なりをカレンダーに移してくれると勝手が良いんじゃないかな〜。Todoって期日がないだけのカレンダーイベントみたいなものだし。むしろMac標準のスティッキーズ(付箋ソフト)がTodoやメモとシンクロすると面白いのかな。

 TodoやiCal(カレンダー)に予定や行動を書き込んでおくと「前に××に行ったのいつだっけ?」とか「ケータイ機種変更したのいつだっけ?」みたいなこともiPod touchでもMacでもSpotlight(デスクトップ検索)でさっくり出てきます。便利です、と言いたいところですがiPod touchでは文字入力が億劫になってしまうのが難しいところ。

 フリック入力にも慣れてきてカナであれば指先ではなく入力した文字を注視したまま打てるようにはなったのですが、速度はなかなか上がりません。1/31現在、フリック入力練習ソフトで60文字/分。150文字/分くらいまでは上がらないと実用的にはストレスになりそう。

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EBPocket for iOS

EBPocket for iOSのスクリーンショット
App Store Cardの画像

 iPod touchでも手持ちの電子辞書ソフト類を生かしたい、とEPWING辞書検索ツールを導入しました。Windowsで馴染みのあったEBPocketのiOS版を試してみました。

 ああ、EBWinでできたことがそのままできる……。画像付きWikipediaのスタンドアロン版もちゃんと検索できますし、日本語大シソーラス(をEPWING化したもの)OKです。ん〜、検索のレスポンスがちと悪いかな。これなら十分使える、と有料版のEBPocket Professionalを購入。600円也。おや? 有料版はアップデート頻度が高いせいか検索速度も良くなっています。アプリのデザインもかなり違いました。まだ小さな画面とタッチ操作での試行錯誤中なのかも。
 他アプリに表示されている文字を調べたいときには[設定]の中の[クリップボード検索]を有効にすると便利ですヨ。

 EPWING辞書のiPod touchへの転送はFTPを使用します。が、画像付きEPWING版Wikipediaなどは6GBに達しているので転送に時間がかかります。EBPocket Free版からの更新で転送した辞書がそのまま使い回せるのかと思ったら新たに送り直し……。まあ、どうせ一番巨大なWikipediaは辞書自体のアップデートがあるのでしょっちゅう転送し直さないといけないんだし、いっか。
 あ、FTP以外にもiTunesの同期で転送できる方法もありました。無線LAN経由よりUSBの方がずっと速かったです。Mac上で辞書格納フォルダをpkg化しないといけないのですが、Macで使っているEBMacもpkgで辞書を認識するので問題ナシ。
 iTunes経由でも(Macとなら)かなり自由度のあるログのシンクロができるみたいなので他のアプリもこの純正同期機能にどんどん対応してくれるとイイのに。(pkg化はフォルダに拡張子をつけるだけなので簡単です)

 iPhone/iPod touchでの辞書ツールはパソコンでの電子辞書ソフトとは少し使い方が変わるみたいです。
 タッチ操作では文字入力も、範囲指定→コピーもやりづらいこともあってせっかくの辞書ツールも他のコンテンツから独立してしまいがち。パソコンでは何気なく使っていましたが、辞書というのは見る/読むツールではなくて“引く”ツールで入力が大事なのだと改めて思いました。
 スタイラスや矢印キーで厳密な範囲指定ができて、ショートカット用の機能キーが五つ並んでいたZaurusはこのあたりの勝手はずいぶん良かったのにな〜。

 iOSアプリやiTunesのコンテンツ類は手軽に買えてしまう価格設定が多く無駄遣いしてしまいそう。ということでプリペイドカードで使うことにしました。7-11にて購入。App Store CardとMusic Store Cardの両方があって戸惑いましたが名前が違うだけでどちらも同じようにiTunesで使えるそうです。

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関連リンク

  • Bookends …… 日本語版を含めた各国語版EPWIWINGのWikipediaを変換・公開している

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iPod touchとScansnap

A4雑誌の一ページを表示

iPod touch × Scansnap A4雑誌の一ページを表示

新書一ページを表示

iPod touch × Scansnap 新書の一ページを表示

スキャンデータを表示してみた

 “自炊”という言葉とともに「ライフハック」系のコンテンツで盛んに取り上げられるようになったドキュメントスキャナ。「自炊データをiPhoneで活用すればこんなに便利!」みたいな記事を見かけますが、iPadならいざ知らずiPhone/iPod touchの画面で実際はどうなの?と思われた方も多いのではないでしょうか。

 結論から言うとイマイチ

 まずはiPod touchの表示スペックなど。

iPod touch画面仕様
表示サイズ75mm×50mm
画素数960pixel×640pixel
解像度約325dpi

 名刺のサイズが55mm×91mmなのでそれより小さな画面ということになります。
 実際に表示してみた印象では……。

iPod touchでの見やすさの印象
A4版雑誌文字はほとんど読めない。
幅を目一杯に表示して縦スクロールならなんとか読めなくはないが快適とは言えない。
A5(大判)コミック何が書いてあるのかはわかるがあまり快適とは言えない。
幅を目一杯に表示して縦スクロールなら読める。
新書きつい。一応文字は追えるが非実用的。
幅を目一杯に表示すれば可読範囲。縦書はスクロールが面倒臭くて不適。
文庫新書よりはマシだけれど大差なし。
新書・横に同じ。

 お勧めできない感じです。iPod touchの売りである網膜レティーナディスプレイは325dpiと高解像とはいえ、印刷物はさらに高解像度。白黒印刷物は600〜1200dpi以上に相当するものの文庫より小さな版・小さな文字の印刷物はほとんど流通していません。

 下画像は文庫本(2010年刊の創元SF文庫)とiPod touchのメモ(標準フォントサイズ)を並べてみたものですが、文字はかなり近いサイズ。

20110118_03

 このあたりが「快適に」読める文字サイズの下限なのかも。これより小さな文字でも「読める」ものはたくさんありますが(例えば紙の辞書はもっと小さな文字でぎっしり)、長文を読む前提では物理的な文字サイズが欲しくなる気がします。

ストレージサイズ

 iPod touchやスマートフォンの類は格納できるデータ容量も限られています。私が今回購入したiPod touchは32GB。A4/200dpiの雑誌資料を150冊ほど詰め込むとそれだけで他に何も入れられません。それでは私の用途(小説書き用の資料の持ち歩き)には不足です。iTunesでは再生頻度etcによってストレージのやりくりをしてくれるようですが、音楽と書籍——特に資料としての書籍では性格が違います。これまでに読んだもの丸ごと全部にアクセスできないとイヤだ、というのがけっこうな労力を費やして書棚の電子化に取り組んできた者の欲求です。実現するには500GB以上必要なので、現実的な解となると今はネット経由で自宅NASにアクセスするか、ネットストレージということになるのでしょうか。

未読ストッカー

 少し視点を変えて「積ん読防止」に使ってみるとどうでしょう。買ったばかりの本を読む前に電子化して、未読本棚をiPod touchで持ち歩く、という使い方です。これならデータ量も手頃で、iPod touchひとつでいつでもどこでも未読本が手のなかに。スクロールを多用することになりますが、読んでいる間の指は遊んでいます。まあ、我慢することにしてみましょう。

 悪くない、と最初は思いました。
 が、慣れてきた頃に文庫本を買って帰りにそのまま読み始めて見たら比較にならないくらい読みやすい。結局、未読ストッカーとしての利用は早々に挫折して、その日に読む本を一冊紙書籍のままでバッグに放り込んでおく旧来のスタイルに戻しました。スキャン物を読むのなら、文庫サイズ端末の解像度が300dpiに達してから、、、でしょうか。

漫画にはいいかも

 iPod touch×スキャンデータの活用に否定的な内容が続きましたが、愛読漫画を詰め込んでおくのには悪くない、とも思いました。繰り返し読んでいる漫画はセリフも内容も頭に入っていて、画面が小さく細部が読み取れずとも脳内コミック劇場のトリガーとして機能してくれます。
 とはいえ、作画の細かな部分まで楽しんでこその漫画だと思うので、iPod touch以前にスキャンと相性が良くない気はします。印刷物との印象もずいぶん変わりますし。

まとめ

 iPod touchは楽しいデジタルガジェットですが画面サイズは名刺以下。無理な“ライフハック”は四苦ハックの元だと思ったのでした。

関連リンク

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iPod touchファーストインプレッション

iPod touchが来たよ@コミPo
iPod touch到着
ipod touch付属品
ぴかぴかiPod touch

購入

 iPod touch 32GBを買いました。
 2010年の秋に出た第四世代モデルです。

 Apple製品は2010年春のMac miniが初めてで、今回のiPod touchで二つ目となります。Zaurusの代替=PDAとして使いたくて買い求めたのでした。Amazonにて購入。まずはファーストインプレッションを。

 Mac miniはパッケージを開ける際にも演出が効いていて「いい買い物をしたな」と思わせてくれたもののiPod touchくらいのサイズだとさすがに演出の余地が薄いようです。割と普通のケースと詰め込み方でした。「このiPad touchはあなたと出会うために作られました」みたいなちょっと照れるアピールはないのか〜。「夢のようなデバイス」とか宣伝コピーも商品のうちの気がするのに。

 パソコンとの接続ケーブルは細めのしなやかなもの。せっかくキーボードもワイヤレスにしたのにケーブルがのたくっていると邪魔だなぁ。ドックがあるようなので探してみよう。

液晶保護フィルム

 指紋だらけにする前に液晶フィルムを貼りました。レイアウト 4th iPod touch用防指紋光沢保護フィルム RT-T4F/CR。こういう作業、苦手です。目立つ大きさの埃を閉じ込めてしまいました。あらら。

導入

 パッケージを開けて、はて、としばし固まったのはどうすれば良いのかわからなかったから。クイックスタートガイドなるものには「ネットからiTunesをインストールしろ」と書かれているばかりでiPodの電源を入れるのが先かケーブルを繋ぐのが先か戸惑います。「続きはwebで!」どころか最初からweb。しかも続きなし。とりあえずMacと繋ぐなり電源を入れるなりすると何かが起こるのだろう、とMacとケーブルで繋いでみたら導入ガイドの図解がtouch画面に現れました。
 なるほど。
 情報を絞ってミステリアスを演出し、かつ余計なことができない設計をしてあるということかな。ゲームの『Myst』みたい。Appleらしい、とはこういうことかな?

PIM

 私、音楽をあまり聴きません。少なくとも外では。なので主にPDAとして使うことになると思います。
 ということでまっさきに確認したのがMacとのiCalとの同期。これまで使っていたZaurusとMacのPIMは同期が今ひとつでした。Mac miniとiPod touchはApple製品同士ということで問題なし——と思いきや、iPod touch側にはTo Doが見当たりません。PIMソフトはMacのiCalもtouchのカレンダーもシンプルながら使い勝手はいいのに残念。不満に思う人は多いようでTo Do関連のツールがいくつもありました。

メモ

 touch側ではメモは独立した機能なのですがMac側ではメーラーに統合されます。統合するならスティッキーズ(付箋)にしてくれればいいのに。書いた日時が残るってことからするとiCalと統合でもいいかもしれない。

mobileMe

 そして立ちはだかるmobileMe。これは所有しているApple機器をInternet上で仲介・統合させるクラウドサービスだと思うのですが、書きかけのメールetcはmobileMeを通じてしか同期できない模様。自宅に戻ってMacと同期してもiPod touchで途中まで書いたメールが現れずに気がつきました。なんてこったい! Evernoteもある状況で有料のクラウドサービスは微妙だなぁ……。

Retina DisplayとScansnap

 高精細が売りのレティーナディスプレイは確かに表示は精細ですが物理的なサイズが小さいこともあってScansnapで取り込んだものを読むのにはあまり向いていないと思いました。スキャン物との相性に関しては後日詳しい感想を書くつもり。

カメラ

 装備されているカメラは実用向けの印象でバスの時刻表を撮影するような用途には十分。写真を楽しむような使い方には合わない印象。動画も実用には十分。あまりきれいとは言えないものの、撮って編集してyoutubeにアップして、までがシームレスでできるのはイイ。楽しいです。「できる」だけなら他のメーカーでも機能は付けてくるしより高機能ですが、使い勝手をしっかり練り込んであるのはAppleならではかな?

 キングジムのポメラ用QRコードリーダーという無料アプリを見つけたのですがこれが汎用QRコードリーダーとして機能したりして地味に便利です。

タッチ

 使い勝手の洗練度合いが一番現れているのがタッチインターフェイス。Androidとは似て非なる印象で「できることを増やす」Android陣営に対してiOSは感覚に馴染もうとする印象。自由とか発展性の高さとか将来性とか、そういうのはAndroidに負けちゃったかな?とは思ったのですが、この小ささでよくこれだけの操作性を実現したと感心してしまいました。
 とはいえ、文字入力に関してはやっぱりZaurusの代替にはならなさそう。VAIO Pが手元にあるからこそ「文字入力は諦めよう」と妥協できたかも。フリックもソフトキーボードもよく練られていてタッチ操作にしては使いやすいですが、半日でタッチタイプに到達できて一週間後には一晩で100KBのテキストを生成できるようになったZaurusに対し、iPod touchでは丸一日以上遊んでみても指先を見ずに入力できるようになる気がしません。数字キーのみのケータイより楽なのは確か。

コミPoでレビュー

 あまり関係ないようなコミPo漫画もつけてみました。
 漫画中の“Tada!”は「じゃーん!」という擬音・擬態のニュアンスだそうです。無料の意味かと思ったあなたにはダジャレ人間の血が流れています。同様に“Sweet!”は得意気でハッピーな様子で“Oh, great!”は「やれやれ」と溜息をつく感じだとか。……コミPoは英語の入門漫画なんかに向いているかもしれません。iOS版コミPoがあると楽しそうだけど、タッチ入力だときついかな?

関連リンク

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創作のための電子辞書

20060302_zaurus

 小説を書く上で欠かせないのが辞書。字義的に“間違っていない”だけでは不十分で、書き手のイメージを伝える大事な武器が言葉です。デジタルになって引く手間が減り、言葉選びの強い武器になりました。

 文中リンクはAmazonへを付したリンクはAmazonの該当商品ページへのリンクです。

パソコン・PDAで使うデジタル辞書

広辞苑 第六版
 国語辞典の代名詞的存在。同クラスの中型国語辞典には大辞林、大辞泉などライバルも複数いるのですが、広辞苑も含めどれも互いに参照し合っているのか語釈も用例も大差がない実情に。国語辞典を複数揃えるなら広辞苑クラスをひとつと『明鏡国語辞典 第二版』(文法や使い分けが詳しい)や『新明解国語辞典 第6版』(個性の強い語釈 ※新明解第六版はEPWINGに変換できる商品がなさそう)のような特徴のある辞書との組み合わせがオススメ。
 辞書類をまとめて揃えるなら『ビジネスセット2012』(広辞苑+現代用語の基礎知識+英和・和英中辞典etc)や『正しい日本語のための厳選国語辞典セット2』(広辞苑+漢字源+明鏡+日本語大シソーラス+日本語表現活用+古語)のようなセット商品が割安。
大修館日本語大シソーラス
 膨大な語彙に圧倒される。国語辞典との連携で言葉選びでの鉄壁のコンビ。デジタル版を強く推奨。自然科学・工学系の言葉は少し弱め。広辞苑とのセット商品も(上記)あるようです。
学研 漢字源 改訂第五版
 意外にPCやPDAなどEPWING変換で使いづらいのが漢字辞典。Unicode対応の部分で問題が出てしまいがちです。EBシリーズのように外字領域をUnicode置換する試みもあります。私の使用しているのは第四版なので使い勝手も変わっているかもしれません。
研究社新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典
 セット辞書の英和・和英で入ってる代表がこれ。単体で買う事はあまりなさそう。英語翻訳で本格的に利用する方は『英辞郎』なり『EPWING版 新英和大辞典&新和英大辞典』なり、選択肢は色々あるようです。
現代用語の基礎知識 2009
 これも単体で買うことはあまりないかも。セット商品に入っていたので一応使っていますが、使用頻度は低いです。専門度が低い雑多な内容ということでWikipediaとぶつかってしまいます。物量では端からデジタル環境での利用を前提にしたWikipediaには叶うべくもなく。
EPWING版Wikipedia
EPWING版Wikipedia画像付き@VAIO type P WikipediaをEPWING変換してローカルで使用することが可能です。WikipediaのEPWING版は Kazuhiro's blog - wikipedia-fpw 様に自前で変換する手順があります。Wikipediaはオタク用語や流行ネタ、マニア的な内容には滅法強い反面、内容の客観性や正確さには問題があるのも事実。小説でWikipediaの内容を使う場合は絶対に裏を取るべきですし、今や誰もがその存在を知っています。そのまま引っ張ってくると読者に笑われてしまうと思いますヨ。
 右のスクリーンショットは画像付Wikipedia EPWING版。Bookendsにて配布されています。EB Seriesの検索ツールで検索する場合にはBookends配布版のetcフォルダに同梱されているwikip.plistというファイルをcatalogsと同じフォルダに置いてやればShiftJIS外のUnicode文字もきれいなフォントで表示してくれます。

理化学辞典
 理系の人の専門知識のサポートに。文系の人が科学知識を仕入れる用途には説明不足で向きません。

岩波生物学辞典
 「生物」と書かれていますが「生化学」や「微生物」寄り。専門性は理化学事典より強いです。
明鏡国語辞典
 文章を書く際には広辞苑よりずっと使いやすいです。同音異義語(例:聞く、聴く、利く、効く)の使い分けをわかりやすく解説し、用例も現代語で充実しています。私はATOKの同義語ウィンドウで使う『明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.4 for ATOK』(の前々バージョン)を使っていますが、2012年に『明鏡国語辞典 第二版』が出て購入しました。(感想記事
研究社日本語表現活用辞典
 用例が古典からの出典の多い広辞苑に不満で購入しましたが利用頻度はあまり高くないです。明鏡の用例や文法解説の方が実用的な印象。
研究社理化学英和辞典 ~ 英和コンピュータ用語辞典付き
 理系英語文献に当たるときには必須。google翻訳やinfoseek翻訳は専門用語には無力です。和訳は専門用語がそのまま並ぶだけなので理化学事典との併用推奨。

紙の辞書

 コンピュータの便利さの前には不便に感じられるようになってきた紙の辞書。でもまだまだデジタル版が売られていない物もあります。

類語辞典
 『角川類語国語辞典』は非常に便利。文章書きで紙の辞書を一冊だけ使うとしたらこれ。索引と語釈が分離されているので慣れないうちは引くのが面倒に感じるかも。語釈や用例部分は中型国語辞典の簡略化丸ぱく。
ライバルとなるべき『三省堂類語新辞典』『講談社類語大辞典』を期待して購入したものの劣悪な出来だったので今でもシソーラス形式では角川類語。デジタル版が大昔のデータディスクマン用(一応EPWINGらしい)しかないようなのが難点。高価で入手困難のようです。電子辞書専用機やATOK用は存在するようですがデジタルならば日本語大シソーラス+国語辞典の組み合わせの方が強力なので角川類語にこだわる必要もないはず。
 角川の類語はとても使いやすいですが一方で『講談社『類語大辞典』の研究―辞書がこんなに杜撰でいいかしら』のような視点でチェックすると欠点だらけなわけでけっして理想の辞書ではありません。でも紙で使ったときに「近くのページに類語がある」感じは類語の意味分類に真剣に取り組んだ辞書ならでは。三省堂類語や講談社類語にはこのシソーラス的特性が不十分……どころか全然ダメな辞書でした。
 五十音形式の類語なら講談社学術文庫の『類語の辞典(上)』『類語の辞典(下)』セットをお勧め。昔の類語辞典の復刻版で表記は古臭いですが。
古生物学事典
 これは趣味/専門の人しか買わないであろう事典。分類体系や新種の記載が続々と続くだけにこれはネット上で随時更新されるものが必要なのかも。最新情報ではなく基礎や歴史をチェックするときに威力を発揮します。

オンライン事典

琉球語音声データベース
これのPDIC版なりEPWING版なり、モバイルマシンで使える辞書が欲しい。
青空文庫
著作権切れの小説テキストを公開している青空文庫ですが、文章を書くときに大活躍です。用法がいまひとつ掴みきれていない単語や言い回しは青空文庫のサイト内検索で検索してみると過去の文豪たちの使用例が見つかることも。貴重な用例を参照しない手はありません。

辞書ツール

 EPWING、もしくはPDICという規格があります。
 パソコン用に売られている辞書ソフトの大半では専用検索ツールが必要ですが、最初からEPWING形式のものと、変換ツールによってEPWING化できるものが汎用ツールで使用可能で、マイナーOSでも使用可能となります。Logovista製品はdessedによってEPWING化できるはずですが、変換できる保証はありません。自己責任でどうぞ。

Zaurus
 EPWING化した辞書データをztenvで利用するのがお勧めです。Edict Memo
Windows
 DDWin、もしくはJammingが有名です。EBWinもシンプルで使い勝手が良いです。EBWinでは外字として登録されているものをUnicode化表示する機能が熱いです。
Mac
 EBWinをリリースしている“EB series support page”からEBMacが登場しました。Mac環境での辞書ツール決定版になったようです。
iPhone/iPod touch/iPad
 やはり“EB series support page”よりEB Pocket for iOSがリリースされています。こちらもEBシリーズ共通の使用感。

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